政府・与党が2018年度の税制改正で、相続税の過度な節税に対する防止策を講じるという記事。
「一般社団法人を設立して相続税の課税を逃れたり、住宅を贈与して宅地にかかる相続税を減らしたりする節税策が広がっており、2018年度税制改正で具体的な対策を講じる。」
このうち、一般社団法人を使った節税策について。
「「一般社団法人の問題は放置できない」。自民党税制調査会の宮沢洋一会長は社団法人を使った節税を問題視する。
社団法人は08年から営利目的でも設立できるようになったが、株式会社と違って相続税はかからない制度となっている。企業の株式に当たる持ち分が存在しないからだ。役員の人数や親族の割合に関する定めもなく、比較的容易に設立できる面がある。
この仕組みを悪用して節税に使うケースが増えている。まず親が代表者となって法人を設立し、資産を移す。その後に子供を代表に就かせ、法人の支配権を継承すると、資産には相続税がかからない。この仕組みを使えば、子供ばかりか、孫やその先の代まで、延々と非課税で資産を相続できる。」
「政府・与党は親族が代表者を継いだ場合、非課税の対象と見なさず、課税対象とする方向で検討を進める。」
親族の地盤(政治資金も?)を無税で引き継いだ世襲議員が、社団法人を使った相続税節税を批判できるのかとも思いますが、問題ではあるのでしょう。
なお、手元の解説書を見ると、個人が社団法人に資産を移す場合は、時価で譲渡したものとみなして、譲渡所得税がかかる場合があるそうです。また、会社とは違うので、剰余金や残余財産を出資者に分配することはできません。
一般社団法人の税逃れ防止 自民、所得税改革で一致(産経)
「課税逃れの防止策は、一般社団法人に移した不動産などの資産に相続税が課されない点を悪用し、子や孫に無税で財産を引き継ぐ手法を抑える狙いがある。一般社団法人は登記だけで簡単に設立でき、企業の株式に相当するような持ち分が存在しない。このため、役員として法人を支配していても相続税の課税対象外となり、高齢者らの節税策に使われていることが問題視されていた。」
一般社団法人及び一般財団法人制度Q&A(法務省)
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