ICOトークンに関する基準開発は事例の蓄積を待つ方向?─ASBJ、実務対応専門委
先日も簡単に取り上げましたが、企業会計基準委員会の実務対応専門委員会で、ICOトークンの発行・保有の会計処理に関する論点整理(3月公表)について、今後の対応が議論されたという記事。
「事務局は、仮に現時点で速やかに基準開発を行う場合には、ICOトークンに関する個々の取引の権利および義務の内容を踏まえて会計処理を判断するという原則的な取扱いを定めて、その取引内容に関する開示を要求する会計基準を開発するとの考え方を示した。
専門委員からは、「原則的な取扱いというのは、どのようなものを指すのか」との質問があり、事務局は、「より詳細に記載するのは現時点では困難であると分析している。そのため、権利義務の内容を踏まえ、各社で判断するとシンプルにまとめている」と回答した。」
委員からは、そのほかにもいろいろ意見が出たそうです。
速やかに基準開発を行うべきであるか否かについては...
「専門委員からは、「開発を進めることに対して異論はない。ただ、今後の議論のなかで具体的に検討してほしい」との意見が挙がった。これに対して、事務局は「具体的な部分はやはりもう少し事例が積み重なってからとなる。タイミングなどを踏まえながら、事務局側で、現時点で何ができるかを考えつつ、引き続き検討を行っていく」と回答した。」
会計基準がないから事例も出てこないのかもしれませんが、いそいで会計基準を作り、それがお墨付きとなって、詐欺的取引が行われてもまずいでしょう。
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