役員賠償保険、4分の1が未加入 社外取締役の登用に影響も(記事冒頭のみ)
上場会社なのに役員賠償責任保険に未加入の会社がけっこうあるという記事。保険会社が調査したそうです。
「企業の役員が不祥事などで訴えられるリスクに備える役員賠償責任保険について、東京証券取引所のスタンダードとグロース市場の上場企業の約4分の1が未加入なことがわかった。外国人株主の存在感の高まりなどで、株主代表訴訟のリスクは高まる。社外取締役を招く場合に賠償保険加入の有無が重視されることも多く、中小規模の企業も対応を迫られている。」
プライムも15%ほどが未加入です。
「東京海上日動火災保険によると、21年4月~22年3月期に有価証券報告書(有報)を提出した上場企業3849社のうち、大企業の多い最上位のプライム市場は加入率が84.3%だった。これに対してグロース市場は75.1%、スタンダード市場は73.5%だった。売上高が1000億円から1兆円未満の企業の加入率は85.9%だったのに対し、売上高100億円未満の企業は69%と大きな開きがあった。」
「取締役会に占める社外取締役の割合が高い企業ほど、加入率は高い」という傾向もあるそうです。
役員賠償責任保険に入っていないということは、株主から役員が訴えられるリスクを甘く判断しているのかもしれません。ガバナンスや内部統制が完璧だから訴えられないと考えているわけではなく、保険料というコストに見合うほどリスクは高くないということなのでしょう。だとすると、ガバナンスや内部統制にもコストをかけておらず、穴だらけということもありえそうです。(役員が多額の賠償金を支払うことのないようにするためには→訴えられ敗訴したときのために保険をかける、または、ガバナンス、内部統制を整えて訴訟を起こされたり訴訟に負たりするリスクを下げる)