関西電力が税務調査で、昨年3月期までの5年間で計約45億円の申告漏れを指摘されていたという記事。
「関係者によると、関電は福井県内の原子力発電所の設備を取り換えた際に出た大量の金属くずを地元業者に売却していたが、国税局は「価格が著しく安い」と指摘。売却額と実勢価格の差額約11億円は経費と認められず、業者に対する「交際費」と判断した。」
実勢価格といってもある程度幅があるでしょうから、一概には言えませんが、わざと低い値段で売ったのだとしたら、税務の問題だけでなく、会計上の不正でもあります。
「関電は子会社などに支出した約20億円や大型機械導入に伴って納入業者に支払った約10億円を経費として処理していたが、国税局は「寄付金にあたる」などと認定した。」
20億円の方は、子会社支援の意図があったのでしょうか。納入業者に支払った10億円の方は、取得原価に算入すべきということであれば、よくありそうな指摘ですが、寄付金になるというのは、特別な事情があるのかもしれません(それとも記事の間違い?)。これもわざと高い金額を支払ったのであれば不正といえます。
関電、原発内工事で45億円申告漏れ…国税指摘(読売)
「売却にあたっては競争入札を実施し、最高値で応札した業者が落札したが、同社は業界紙などで市場価格を調べ、売却額を落札額とは別に決めていた。」
落札額が低すぎたので、市場価格を調べて、高い方の金額で売却したというのならわかるのですが、入札までやったのに、その落札額より低い金額で売却したということであれば、不可解です。
申告漏れ:関電が45億円(毎日)
「同社は、金属くずの売却にあたっては競争入札を実施し、市場価格も査定するなど適正な手続きを踏んだと説明。地域共生・広報室は「国税局との見解の相違によるもので、結果として主張が認められなかったことは残念。今後も適正な税務申告に努めたい」とコメントした。」
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