オリンパスの十二指腸内視鏡による検査・治療後、欧米の患者多数が薬剤耐性菌に感染していたという記事。
「問題の内視鏡は、米民主党議員の報告書や訴訟資料などによると福島県会津若松市の工場で製造され二〇一〇年から欧米で販売された十二指腸内視鏡TJF-Q180Vで、一二~一五年に米国、オランダ、フランス、ドイツの十七医療施設で百九十人以上が薬剤耐性菌に感染した。日本でこの内視鏡は販売されず感染は起きていない。欧米ではその後特殊な洗浄ブラシの提供や注意喚起で安全対策が取られた。
欧州では内視鏡先端部が洗浄しにくいことが原因と早い段階で疑われ、オリンパスは当局の要請を受け一三年一月に注意喚起。米国の感染者約百四十人に対し、欧州は約五十人で喚起後の感染者は十数人にとどまった。
米国では一二年十一月、東部ペンシルベニア州の病院で感染が確認されたが、オリンパスは他の医療関係者に報告しなかった。一三年一月に注意喚起について相談を受けた東京本社幹部が、米国法人あてに翌月「積極的に知らせる必要はない」としたメールが訴訟で証拠として提出された。一五年一月に感染が報道で表面化、FDAは速やかな報告を怠ったと同社を警告した。」
米国では訴訟にもなっています。
「死者も複数出ている。感染が直接の死因かどうかは不明だが、米国内では三十五人死亡の報道もある。遺族らは約五十件の損害賠償訴訟を起こした。」
会社からプレスリリースが出ています。
当社の十二指腸内視鏡に関する一部報道について
「欧米の一部の地域における薬剤耐性菌への感染について、「内視鏡の洗浄・滅菌しにくい構造が原因の可能性がある」旨の報道がされておりますが、本件に関し原因が特定された事実はございません。当社が販売するすべての内視鏡は、取扱説明書に従って、適切な使用・メンテナンス・リプロセス(洗浄・消毒・滅菌)をしていただければ、安全にご使用いただけることが確認されています。また、十二指腸内視鏡を用いた主な手技である内視鏡的逆行性胆管膵管造影(ERCP)は全世界で年間 200 万症例実施され、安全に執り行われています。
現在米国にて、十二指腸内視鏡に関する民事訴訟を受けております。報道されております内容につきましては、今後の裁判の中で当社の見解・主張を明らかにしていきます。」
東京新聞の記事は、感染が起きた当時の対策不備や医療関係者への周知不足を問題にしているのに、それには答えていないようです。
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こちらはオリンパス社内弁護士と会社とのパワハラ裁判の記事。
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