会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

シャープ、単体では債務超過に 15年3月期 (日経より)

シャープ、単体では債務超過に 15年3月期 (記事冒頭のみ)

シャープが2015年3月期単体決算で債務超過になったという記事。

「シャープが2015年3月期に単体で債務超過になったことが12日、明らかになった。前期の連結最終損益がテレビや液晶パネル事業などの不振で2000億円超の赤字になり、大半が単体の赤字額とみられる。東京証券取引所の上場基準で1部から2部へ降格になる連結での債務超過は免れたが、部品仕入れなど取引先との決済などに影響が出る可能性もある。」

固定資産の減損処理などで赤字→債務超過ということであれば、キャッシュフローには直接の影響はありません。銀行が支援してキャッシュフローを回すことができれば、債務超過でも破たんはしないでしょう。

なお、連結で債務超過でないとしても、子会社・関連会社にはそれぞれ債権者や(100%子会社でなければ)他の株主がいるので、子会社・関連会社から親会社を支援して親会社の債務超過を解消することは難しいでしょう(配当をするぐらいでは)。「時価>簿価」となっている子会社株式や関連会社株式を売却して、単体ベースで利益を計上するというルートはあります。

1億円への減資は断念したようです。

シャープ「1億円減資」断念 批判考慮、5億円に(日経)(記事冒頭のみ)

「大企業による異例の大幅減資への批判を考慮し、資本金は5億円にする。減資で累積損失を解消する方針は変えず、将来の復配などに備える。」

銀行に優先株を発行しても、配当可能な剰余金がなければ優先株に対して配当できないので、減資自体はやらざるをえないのでしょう。そもそも税務メリットというのは、後からつけた理屈だったのでは。

現在の株主に対して復配できるようにと考えているわけではなさそうです(少なくとも優先順位は低い)。

(仮に優先株分も含めて減資し、将来その減資で生じた剰余金から配当する、優先株の株主はその配当を利益計上するということになると、優先株の株主(=銀行)は投資元本の取崩を利益計上することにならないのかという点も、少し先の話ですが気になります。)

シャープ解体の“Xデイ” 銀行団が見捨てる日 「張りぼての再建計画」に銀行団が怒り(Business Journal)

「では、なぜ銀行団はこのような計画を飲まざるをえなかったのか。背景には一部週刊誌で報じられているが、首相官邸の力が作用したとの見方が支配的だ。全国紙記者も漏らす。

「官邸はとにかく、アベノミクスに水を差されたくない。銀行団が匙を投げてシャープが破綻したり、事業を切り売りしたりする方向に話が進めば、景気は冷え込み政権の屋台骨が揺らぎかねない。水面下で官邸から2行に強力な要請があったと聞いています」 」
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