会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

地銀は「マニュアル」を超えた自律経営を(日経より)

地銀は「マニュアル」を超えた自律経営を(記事冒頭のみ)

金融庁の「金融検査マニュアル」廃止を取り上げた社説。引当金について変なことを主張しています。

「金融庁が銀行に対する立ち入り検査や監督の方針を詳細に示した「金融検査マニュアル」を昨年限りで廃止した。

日本版金融危機下の1999年に導入した同マニュアルは、融資先企業の財務状況の精査や担保の確保、貸し倒れに備えた引当金の計上を銀行に厳しく迫った。」

しかし、銀行の経営課題は様変わりし、マニュアル廃止は適切だとしたうえで、2つの大きな課題があるといっています。

「1つめは担保の確保を優先するのにとどまらない融資だ。...

もう1つが引当金の柔軟な手当てだ。中小・新興企業への融資はおのずとリスクが高い。貸し倒れに備え、今は「正常先」の企業向けにも予防的な引当金を積むことがあってよい節税効果がある正常先への引当金計上には厳しい制約がある。合理性を前提に、公認会計士や税務当局との調整を金融庁は後押しすべきだ。」

貸倒引当金は税務と関係なしに計上すべきものであり、会計と税務の差異については税効果会計で調整することになっています。日経は、いまだに、会計=税務、と思っているのでしょうか。

そもそも、貸倒引当金に関する会計基準が変わったわけではないのに、会計士に圧力をかけて、勝手きままに引き当てをさせろというのはおかしな話です。「合理性」といっても、一般に合理的だと認められた会計ルールが会計基準なのですから、会計基準を無視することはできないはずです。

当サイトの関連記事(金融庁の「検査マニュアル廃止後の融資に関する検査・監督の考え方と進め方」について)
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