TBS系列の民放テレビ・ラジオ局「南日本放送(MBC)」の100%子会社「MBC開発」の前経理部長が、自ら取締役を務めるMBC開発の子会社「MBC不動産販売」名義で帳簿外の株式売買を繰り返し、約34億8000万円の損失を出していたという記事。
「MBC開発などによると、前経理部長は、両社の資金運用を任されていたが、バブル崩壊でMBC不動産販売が所有する株式の含み損が拡大。責任問題になる恐れから、1992年に簿外での取引を始めたが運用に失敗、損失を膨らませた。国税局の税務調査を前に2006年10月、会社側に申し出た。
帳簿上は借入金がないよう装い、経理を一人で担当していたため、監査でも発覚しなかったらしい。」
記事を読むと会社側はこの経理部長の個人的な不正であるかのようにいっていますが、個人的な横領が目的ではないようですから、会社が92年から2006年まで取引をまったく知らなかったというのも信じられない話です。
MBC開発とMBC不動産販売は、事業内容からすると、建設業や宅建業の登録をしていると思われます。つまりそうした登録の際に、34億円の損失を隠した虚偽の決算書を当局に提出して登録を継続していたということになります(耐震偽装で問題となった木村建設と同じ)。また、親会社の南日本放送も電波利権を与えられている半ば公的な会社です。上場会社ではないからといって、こうしたずさんなことを許すべきではありません。
お詫び(会社のプレスリリース)
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