会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

「誰も使わない一組の会計基準」(「会計・監査ジャーナル」より)

会計士協会の機関誌「会計・監査ジャーナル」4月号の冒頭に、京都大学副学長で日本会計研究学会会長の徳賀教授による「誰も使わない一組の会計基準」という論説文が掲載されています。

修正国際基準(JMIS)の存在意義を検討したものとのことです。JIMS廃止論かと思って読み進んでいくと、JMISはそれなりの役割を果たしているという結論のように読めます。ただ、それは浅い読み方かもしれません。JIMSの議論を行うことによって、日本基準の新設・改廃に(悪い?)影響を及ぼしているとの記述もあり、だからやはり廃止すべきとの主張のようにも読めます。

(冒頭で廃止論について「私も以前はそう考えていたが」とあり、今はそうでないと読めるので、廃止すべきでないとの主張だというのがすなおな読み方なのでしょうが...)

会計士協会の会員ページから、(すごく読みづらい)電子版が読めますので、会員で興味のある方は、読んでみて判断してください(紙の雑誌ももうそろそろ届くことかと思います)。

この論説の結論はともかく、会計士協会の機関誌で、JMISに存在意義があるのかというテーマが取り上げられたということ自体は、意味がありそうです。

コメント一覧

kaikeinews
おっしゃるとおりで、廃止論の理由の方を多く挙げているように感じました。また、廃止が「シンプルでコストのかからない方法」といっています。

ただ、冒頭で、廃止すべきという意見について「私も以前はそう考えていた」と書いてあるので、文章の流れからすると、いまは、そう考えていないということになります。「単純に考えれば...問題の解決は、JMISの廃止となる」との記述もあり、これは「慎重に考えれば、...、問題の解決は、JMISの廃止とならない」との意味にも取れます。

また、エンドースメントについては、修正国際基準の議論をやることによって、金融庁がやるべきIFRSのエンドースメント手続を実質的にASBJがやっているが、廃止して、金融庁がやるんですか、あるいは、どうせカーブアウトしないのだから、やめてしまいますか、といっているようにも読めます。

ともかく、「現代国語」の試験ではないのですから、もっとストレートに書いてほしかったです。
とおりすがり
廃止すべきという結論と読んだのですが…
企業会計審議会の会長がアドバルーンを上げて、地ならしとみました。うがちすぎでしょう。
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