会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

不適切会計が発覚した環境経営総合研究所、更生手続き開始決定(Yahoooより)

不適切会計が発覚した環境経営総合研究所、更生手続き開始決定

悪質な粉飾決算をしていたと報じられている環境経営総合研究所(→当サイトの関連記事)が、東京地裁より更生手続き開始決定を受けたという記事。

「2022年8月に日本政策投資銀行、同年9月にSBIグループ、2023年3月に再び日本政策投資銀行から出資を受けるなどして企業規模を拡大させ、2023年8月期の業績は年売上高519億2635万円、当期純利益36億380万円、同期末時点の負債総額199億63万円と公表していた。この間、経済産業省や環境省などから賞を受賞していたほか、2022年度春の褒章で代表が「黄綬褒章」を受賞するなど、多方面から評価を得ていた。

しかし、今年7月に資本金の額を20億円減少し4億7000万円とする減資を公告。水面下では、過去から不適切な会計処理を行っていたことや資金流出などが発覚し、金融機関に対し返済猶予を要請するなか、8月20日に債権者から会社更生法を申し立てられていた。

負債は約246億円が見込まれる。」

会社法の会計監査人監査は受けていたのでしょうか。

環境経営総合研究所、「ヤバイ人」と金融機関の立ち回り(東京商工リサーチ)

東京商工リサーチは、日本政策投資銀行(DBJ)とこの会社の面談記録を入手したそうです。

「面談記録によると、7月29日にERIの代表者と弁護士1名がDBJを訪問した。面談記録に弁護士名の記載はない。ただ、関係筋によると、本件を担当したのは事業再生に精通し、倒産村では名の知れた有力な弁護士だ。

席上、ERIの代表者は「(今年)4月に関係先より、当社が粉飾しているとの指摘を受けた」と切り出した。粉飾を暗に認めた上で、理由について「15年以上前にマスコミに出ていない事件に巻き込まれ、ヤバイ人たちに取り付かれ、相当な金額を吸い上げられた。その穴埋めのために粉飾した」と説明。同席した弁護士は粉飾について、実際の売上高は対外公表の10分の1以下であり、少なくとも3パターンの決算書があることを明らかにした。

衝撃の告白をした後、代表者は「引き続き最前線でやっていきたい」と続投への意欲と受け取れる発言をしたという。ただ、面談記録は、DBJ担当者による「不正額が大きく、このまま業務執行を続けることは難しい」との発言で締めくくられている。

すでに15年以上前から粉飾決算をしていた。しかも売上高の乖離は10倍もあり、代表者自ら優良企業を装っていた。2014年には経済産業省の「グローバルニッチトップ企業100選」に選出されている。」

「ERIをめぐっては、5年以上前に補助金詐欺で逮捕された企業と親密だった人物が出入りしていたとの話もある。」

「ERIの代表者が、DBJに話した内容にどれほどの信憑性があるか不明だ。仮にあったとしたら、過去の事件はどういったものだったのか。」

代表者の口から出任せの言い訳ではないとして、どういう筋の「ヤバイ人たち」だったのでしょう。不正な資金流出について、その「ヤバイ人たち」から回収はできないのでしょうか(簡単に回収できないような相手だから「ヤバイ」のかもしれませんが)。粉飾していたとして、どういう手口だったのかも気になります。

それにしても、役所のお墨付きというのは、全然あてにできないようです。この会社にファイナンスしていた金融機関(政府系金融機関含む)は、好事例としてホームページ(HP)でPRしていたそうです。事業がうまくいかないことがあるのはしかたがないとしても、粉飾会社に国民の税金を注入すべきではないでしょう。

「会社更生手続開始決定」のお知らせ(更生会社 株式会社環境経営総合研究所)

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