会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

完全飽和の私大600校を襲う大淘汰の幕開け(東洋経済より)

完全飽和の私大600校を襲う大淘汰の幕開け
18歳人口の減少が2018年から再び加速


今週の「週刊東洋経済」は「大学が壊れる」という特集だそうです。

「子どもの数は減り続けているのに、大学数は右肩上がり。1980年に446校だった大学は2016年には約1.7倍の777校へ増加、学部の新増設は毎年のように続く。大学と学生の需給バランスがこれほど悪化しているのに、経営破綻した大学数は意外と少ないといえるが、「予備軍」は着々と増えている。」

「私立大学の典型的な収支構造は、半分強の学生等納付金、1割程度の補助金、残り大半が事業収入という収入構成に対し、人件費が5割、教育研究経費が3割強、管理経費は1割を占めている。

収入のうち、財政難の国からの補助金は、これ以上の増額が見込めない。収入の柱である学納金を増やすには、学生数が減るなら単価である授業料を値上げするしかない。ただ、「米国の大学と比べて日本の私大の学費は安いが、デフレ下の日本で学費値上げを本当に打ち出せるのか」(大手私大幹部)と、難色を示す私大が多い。一方、費用の5割を占める教職員人件費を削るのは企業のリストラほど簡単にはいかない。「入」も「出」も、にっちもさっちもいかない状態にあるのが今の私立大学の財務状況だ。」

B078XY2GNB週刊東洋経済 2018年2月10日号 [雑誌](大学が壊れる 疲弊する国立大、捨てられる私大)
東洋経済新報社 2018-02-05

by G-Tools


国立大学も大変なようです。

没落する地方国立大の何とも悲惨な台所事情
個人研究費年50万円未満の教員が6割
(東洋経済)

「カネに窮する国立大学は、そして何のために行うのかわからないような「大学改革」に乗り出す。たとえばカリキュラム変更や、グローバル化対応を目的とした頻繁な改組、新学部の開設などである。

名目としては、世の中の変化に対応して大学の社会的存在感を高めるためであるが、文科省から改革に関する補助金を得られるからという事情も大きい。それがまた、改革を本質的でないものとし、教員達は関連する学内事務に膨大な時間を割かれることになり、疲弊ぶりを深めてしまう逆効果になっているのである。」
名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最近の「企業会計」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事