サッカーくじの運営をやっている独立行政法人が、くじの販売委託先に対する債務143億円を貸借対照表に計上していなかったという記事。ただし、注記はしていたようです。
記事によると、くじの販売委託先がコンピュータシステム整備などのために350億円初期投資し、それを、この独立行政法人が、毎年50億円ずつ返済する予定だったものが、くじの売れ行き不振で滞ってしまったようです(そのほかにも年間の運営費の未払もある?)
企業会計的に考えれば、このシステムを使うための権利金を分割払いしているだけであり、350億の権利金(資産)と同額の長期未払金を計上すべきでしょう(権利金は適当な期間で規則正しく償却する)。
したがって、簿外の債務が、全額、費用過少になるわけではありませんが、非常に不透明な処理であることはたしかです。独立行政法人の会計基準では認められている処理なのでしょうか。
独立行政法人は、組織の目的自体が民間企業と異なるため、会計基準も民間とは別のものになっています。例えば、道路公団の道路資産と債務を引き継ぐ組織も独立行政法人ですが、正しい会計が行われるのか、心配です。
ちなみに、独立行政法人は、会計監査の対象です。記事には監査人の名前もでています。
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