国際監査基準などの設定主体であるIAASBが、監査の品質向上を目指す新しいフレームワークを公表し、コメントを募集しているという記事。
The International Auditing and Assurance Standards Board has released for public comment a new consultation paper aimed at improving the quality of audits.
この報告書は、「監査の品質のためのフレームワーク（A Framework for Audit Quality）」と題され、監督当局、監査委員会、投資家、監査事務所など、監査に品質向上に関心を持つ関係者からのコメントを求めています。
In issuing the document, entitled "A Framework for Audit Quality," the IAASB, which operates under the auspices of the International Federation of Accountants, is asking for input from who have an interest in continually enhancing audit quality, including regulators, audit committees, investors and audit firms.
IAASBのテクニカルディレクターによると、このフレームワークは、監査エンゲージメント、監査事務所、国という3つのレベルで、監査の品質に貢献するインプット要因とアウトプット要因を説明し、さらに、ステークホルダー間の適切な相互作用（交流）の重要性と、さまざまなコンテクスト要因の関連性について例示しているそうです。
“The proposed framework describes the input and output factors that contribute to audit quality at the engagement, audit firm, and national levels. It also demonstrates the importance of appropriate interactions among stakeholders and the relevance of various contextual factors,” said IAASB technical director James Gunn. “We hope that A Framework for Audit Quality will generate discussion and that its active use by various stakeholders will result in positive actions in the public interest to achieve a continual improvement to audit quality.”
公表されたフレームワーク
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A Framework for Audit Quality
Consultation Paper
概要をまとめたもの
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At a Glance: A Framework for Audit Quality
通常の商品やサービスであれば、産出された商品やサービス自体の品質が良ければそれでよいのですが、監査の場合は、直接のアウトプット（監査報告書など）だけで、品質を判断するわけにはいきません。監査人の価値観、職業倫理、態度、知識・経験、監査に割り当てられた時間、監査のプロセスや品質管理手続の有効性など、インプットも重要になります。さらには、主要な関係者間のinteractionsや、監査を取り巻くコンテクスト（企業統治、会計基準、法令など）も監査の質に影響します。
日本でも現在不正対応監査が問題となっていますが、今回のフレームワークは、監査の品質向上を、監査基準レベルだけでなく、もう少し広い視野で考える際の基本になるのかもしれません。
そのうちに、会計士協会の「会計・監査ジャーナル」あたりで、解説が掲載されるでしょうから、詳しくはそちらをご覧ください。
