OECDの租税委員会が、税逃れ対策に非協力的な国・地域を特定する基準案をまとめたという記事。
「具体的には(1)税の透明性を審査する国際組織「グローバル・フォーラム」の評価を満たしているか(2)非居住者の口座情報を自動的に交換するルールに参加しているか(3)税務当局間で協力するための条約に署名しているか――だ。国際組織が非常に厳しい評価を下した場合はほかの2つの基準を満たしても悪質と判定する。」
来年には、この基準に引っかかる国・地域が指定され、各国で制裁措置を検討するそうです。
OECDの租税委員会は7月1日まで京都で会合を開いているそうですが、そのプレスリリース。
First meeting of the new inclusive framework to tackle Base Erosion and Profit Shifting marks a new era in international tax co-operation(OECD)
In Kyoto, participants have started the work to undertake the standard-setting on remaining issues including transfer pricing and interest deductibility, as well as the development of practical guidance to support consistent, global implementation of their commitments to the BEPS package. A particular focus of the inclusive framework will be ensuring implementation of the four minimum standards arising from the BEPS Project – on harmful tax practices, tax treaty abuse, country-by-country reporting and dispute resolution mechanisms – which will be subject to a peer review process, alongside ongoing monitoring of the other elements of the package.
この会議では、租税回避対策に非協力的な国・地域を特定するという論点以外にも、幅広く検討されているようです。
多国籍企業の課税逃れに新ルール OECDが対応本格化(朝日)(記事前半のみ)
「OECDの租税委員会(議長・浅川雅嗣財務官)が30日から2日間の日程で京都市で始まった。会合では、多国籍企業が課税を逃れたり、税負担の少ない国へ利益を移転したりすることに対処する「BEPSプロジェクト」を途上国にも広げ、共通のルールづくりを進めることを確認した。
BEPSの正式メンバーはOECDの加盟国など46カ国だったが、京都市の会合で約80カ国・地域まで増えた。OECDによると、20カ国以上が今後の参加を検討しているという。途上国には、BEPSへの参加により、先進国の企業の進出を促すねらいがある。
共通ルールにより、過度な節税を防ぎ、経済活動の実態に即した納税のしくみを整えたい考えだ。具体的には、世界各国で活動する企業に対し、グループ全体の財務情報を一括して親会社のある国の政府に提出させる。通販会社の倉庫など課税対象になっていなかった施設も、事業の中核を担っている場合には課税の対象とすることも検討する。」
租税回避、防ぐ課題は OECD租税局長に聞く(朝日)(記事前半のみ)
「今回の会合では、多国籍企業による租税回避を防ぐためのルールづくりと、脱税防止のために各国が金融口座情報などを毎年自動的に交換する枠組みについて話し合われる。
まず、多国籍企業の租税回避防止ルールでは、各国が協調して課税ルールづくりを進める「BEPSプロジェクト」を充実させる。現在の参加国は46カ国だが、サンタマン氏は、今回の会合を機に「100カ国以上が関わるようになる」と明らかにした。
課題は、あとから参加する途上国の国内法整備だ。サンタマン氏は「途上国には、より簡単なルールを検討する必要がある」と述べ、各国の状況で柔軟なルールづくりを認めてでも、参加国を増やすべきだとの考えを示した。」
36 new countries and jurisdictions join BEPS project(economia)
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