東芝の次年度の監査人がPwCあらた監査法人に決まったという記事。当サイトではトーマツを予想していましたが外れました。
「東芝が監査体制を刷新する。27日、2016年3月期で契約を打ち切る新日本監査法人に代わり、来期からPwCあらた監査法人を起用すると発表した。約5年ごとに監査法人を見直すことも検討する。監査の厳格化を徹底し、不適切会計の再発防止につなげる。
あらたの起用は6月の株主総会を経て正式に決める。選任した理由について、東芝の佐藤良二・監査委員会委員長は「監査品質の高さや効率性など様々な要素を総合的に判断した」と述べた。」
「2016年3月期で契約を打ち切る」と、東芝から新日本を切ったように書いていますが、実際には、新日本の方から三行半を突きつけたということは、当サイトでお伝えしたとおりです。(こういう書き方をするということは、日経は東芝寄りなのでしょう。)
東芝の監査委員会委員長はトーマツの元CEOですが、トーマツは「様々な要素を総合的に判断」した結果、不適格だったのでしょうか。それとも、そもそも名乗りをあげなかったのでしょうか。
あらたは、大王製紙に続き、問題企業の監査を引き受けたことになります。駆け込み寺化しているのかもしれませんが、元金融庁長官が天下りしているので、当局から「駆け込み寺監査法人」というレッテルを張られることはないでしょう。
東芝の監査をできるだけの人員をあらたに確保する必要がありますが、新日本から引き抜くのでしょうか。新日本としては、引き抜き防止策を取るのでしょうが...
公認会計士等の内定に関するお知らせ(東芝)(PDFファイル)
当サイトの関連記事(新日本退任の発表について)
なぜ監査法人ばかり叩かれる…東芝問題の不条理とは(読売)(再掲)
「これは、新日本監査法人だけの問題ではない。というのは、このような状況で監査を辞退しても、日本ではその後継者がすぐ出てくる。アメリカで担当監査法人が辞退したら後任がいるはずはないという。なぜなら、前任者が辞任するような会社の監査を担当すれば、直ちに不適正意見を書くか、これはひどいとすぐに辞任するかの、いずれかで、そんな状況で監査を引き継ぐことは責任追及の嵐に身を投ずるようなものだからである。」
どんなひどい会計不祥事を起こしても、すぐに代わりの大手監査法人が見つかるというのは、会社を甘やかしすぎでしょう。
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