イオンがグループのドラッグストア4社を統合するという記事。
「イオンは、ウエルシアHDを連結子会社化する。ウエルシアHDとCFSコーポレーション ・・・はウエルシアHDを親会社として経営統合、タキヤ(兵庫県尼崎市)、シミズ薬品(京都市)も株式交換でウエルシアHDが完全子会社化する。」
統合する4社のうち、ウエルシアHD(上場会社)は、現在イオンの関連会社(持分法適用)で、ほかの会社はイオンの子会社のようです。
「イオンは、1株4000円でウエルシアHD株をTOBする。現在37.37%の持ち株比率を50.1%まで引き上げ、連結子会社化する。買い付け期間は10月23日から11月20日まで。
ウエルシアHDの上場は維持する。ウエルシアは、このTOBに賛同している。買い付け代金の総額は最大で約224億円。TOB価格は、21日の終値3385円に対して18.17%のプレミアムが付いている。」
「ウエルシアHDは15年9月1日をめどに、株式交換でCFSと経営統合することで合意した。今後、経営統合に向けた具体的な協議を開始する。株式交換比率は、今後のデューディリジェンスや第3者算定機関による株価算定の結果を踏まえて決定する。
さらに、ウエルシアは、2015年3月1日付でイオングループのタキヤ、シミズ薬品も株式交換で完全子会社化する。これにより、関西エリアでの事業基盤を強化する。」
いったん、ウエルシアHDを子会社化した後は、連結グループ内の再編ということになるので、イオンの連結決算では、グループ内の取引部分については消去されることになります。
それでは、上場を継続するというウエルシアHDの決算(連結)はどうなるのでしょうか。パーチェス法で会計処理するのでしょうか。それとも、イオンの支配下にある会社同士の統合ということで、プーリング法的な処理になるのでしょうか。企業結合会計適用指針などをみると、後者のようにも思えます(自信はありません)が、その場合、特に、ウエルシアの少数株主の立場からみると、統合の相手先とたまたま親会社が同じだからといって、そうでない場合と会計処理が違うというのは理解しがたいところかもしれません。
ウエルシアHDの連結財務諸表では、(ウエルシアHDが取得側であるとして)ウエルシアHDがほかの企業を取得したというパーチェス法の会計処理をしたうえで、共通の親会社であるイオンの連結財務諸表では、連結内部取引として修正・消去するというのが、考え方として、すっきりするように思われます(現行基準では認められないのかもしれませんが)。
例えば、親会社P社の子会社S1社が、全資産を別の子会社S2社(あるいはS2社の子会社)に時価で譲渡して解散するという場合を考えると、P社の連結決算では、この取引はなかったことになりますが、S2社の(連結)決算では、譲渡の際にS1社で計上された利益を含む金額でその資産を計上することになります。これと同じと考えれば、パーチェス法による処理が適当ということになるはずです。
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