中小企業庁などで、中小企業のM&Aを巡るルール整備が始まっているという記事。悪質な仲介業者が多いのだそうです。
「中小企業のM&Aに関する仲介業者などは、国内で約370あるといわれる。売り手と買い手の双方から手数料を取る「両手取引」といわれる手法が多いとされる。成約すれば業界慣行として最低でも双方から取引価格の5%ずつを手数料として取るのが一般的だ。
だが将来も顧客になる可能性が高い買い手の事情を優先しがちともいわれる。売り手が不利だとして、利益相反の懸念が根強い。似た問題が指摘される不動産業などと違い公的資格は必要ないため、経験不足の業者もまじるという。ある事業承継アドバイザーは「簿記3級の知識すらないのに『仲介できる』とする業者もいる」と明かす。」
中小企業庁の動きは...
「中小企業庁は20年、中小企業のM&Aについてガイドラインを策定。21年4月には「中小M&A推進計画」をまとめた。今夏にも届け出による登録制度を導入し、自主規制団体の設立を目指している。
仲介事業そのものの規制までは踏み込まず、売り手、買い手に自社が仲介であることを説明するように求めたり、ほかの事業者にも相談する「セカンドオピニオン」の導入を促したりする。公正な企業価値の評価方法の開発にも取り組む。」
民間では...
「M&A助言のプルータス・マネジメントアドバイザリー(東京・千代田)は2月、仲介業者を通じて売却を検討する中小企業に、売却手続きや価値評価の妥当性などを第三者の視点で助言するサービスを始めた。」
海外(米国)では、訴訟が歯止めになっているようです。
「米国では双方から手数料を取る「両手取引」の仲介業者はほとんどないとされる。植松貴史弁護士は「売買価格に疑いがあれば訴訟になりやすいため、利益相反の意識が高い」と指摘する。さらに米金融取引業規制機構(FINRA)の自主規制ルールもあり、利益相反や詐欺的な行為などを禁じている。」
日経記事では、顧客がいる前で、仲介業者の担当者に上司から電話であり、案件をまとめられないことを叱責されるという場面も出てきました。そんな業界には、人材が集まらないのでは。
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