金融庁は、2015年7月から2016年6月までの金融庁の活動についてまとめた「金融庁の1年(平成27事務年度版)」を公表しました。
証券取引等監視委員会及び公認会計士・監査審査会の活動は、対象外です。
新しい情報は含まれていないようですが、資料編として、1年間の重要な公表物(またはその概要)がまとめて収録されているので、資料としては便利かもしれません。
(700ページ超あるので、印刷しようとすると大変なことになります。)
開示や会計監査関係では、「情報開示、会計基準及び会計監査の質の向上に向けた取組み」という項目があります(38ページ~)。
27 年度のEDINETのアクセス(検索)件数は年間2億6千万件を超えるそうです。
「審議会等の活動状況」も記載されていますが、企業会計審議会は半ページほどの分量で、成果物もなくほとんど開店休業状態のようです。
「職員の任用等」という項目では、民間専門家の採用・登用等についてもふれています。公認会計士は63人いるそうです(2016年3月1日現在)(7ページ)。
逆に、金融庁からの出向先として、有限責任監査法人トーマツが挙がっています(ただし新規出向先)。
金融庁の動向を知るという意味では、この本がよいかもしれません(2016年5月発行)。
捨てられる銀行 (講談社現代新書) 橋本 卓典 講談社 2016-05-18 by G-Tools |
宣伝文より。
「森信親・金融庁長官が剛腕を揮う、金融改革とは何か。会議の一新。銀行を飛び越えて、取引相手の中小企業に銀行について徹底ヒアリング。金融検査マニュアルを実質廃止して、金融機関の事業性を評価する新基準。始まったばかりの改革の行く末と狙いを明らかにする。」
現金融庁長官をよいしょしている本ともいえます。
金融検査マニュアルを実質廃止する一方で、監査法人の方は、監査法人ガバナンス・コードを新たに設けて、検査で締めつけようというのですから、ちぐはぐな感じです。この本によれば、地方の金融機関は、金融庁のマニュアルに対応した経営を行っているうちに弱体化してしまったわけですが、監査法人にも同じことが起きるのでは。
当サイトの関連記事(「証券取引等監視委員会の活動状況」について)
その2(「公認会計士・監査審査会の活動状況(平成27年度版)」について)