大手ゼネコン「鹿島」などが、キヤノンから請け負った工事の関係で、少なくとも十数億円の裏金をつくっていたという記事。
この記事によると、問題の工事には、キャノンが発注した工事と大分県土地開発公社が発注した工事があるようです。いずれも鹿島が受注し、下請け業者(電気工事は九電工の再下請け先)を通じて裏金が支払われ、最終的に大阪市のコンサルタント会社社長が関係するグループ会社がその受け皿となっていたとされています。このグループ会社から先のカネの流れは使途不明金になっており、明らかになっていません。記事では、「工事受注のための工作費に使われたとみられている」と推測しています。
「裏金づくりの舞台は、キヤノンのプリンター関係の工場、研究施設の本体工事や土地の造成工事に絡むもの。最初に受注した鹿島は実際に工事を行う一方、様々な会社や業者、共同企業体(JV)などに工事を下請けに出し、最終的には大阪市のコンサルタント会社社長が関係するグループ会社が請け負う「裏金ルート」をつくっていた。ところが国税当局の調査などで、このグループ会社は工事をしておらず、外注費は架空だったことが判明した。」
キャノン発注分については、福岡国税局と東京国税局により計7億円の裏金が指摘されています。大分県土地開発公社発注分については、水増し外注の手口で、05年から06年に計約8億円の裏金をつくっていたとされています。
工事を受注した鹿島や発注者であるキャノン、大分県土地開発公社の裏金へのかかわりかたがはっきりしていないので、会計上どうなのかはよくわかりません。直接的なかかわりはないのかもしれませんが、その場合でも工事費の中から裏金が支払われたことはほぼたしかなようですから、会社の内部統制の対象とすべき範囲かどうかといった問題は出てきます。
受注謝礼か 5億円が九電工からコンサル会社へ
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