会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

「のれんの会計処理に関するIASBとFASBの連携強化に係るIOSCO声明」の公表(金融庁)

「のれんの会計処理に関する国際会計基準審議会(IASB)と米国財務会計基準審議会(FASB)の連携強化に係るIOSCO声明」の公表について

IOSCO(証券監督者国際機構)は、「のれんの会計処理に関する国際会計基準審議会(IASB)と米国財務会計基準審議会(FASB)の連携強化に係るIOSCO声明」(原題:IOSCO Statement on Enhancing Collaboration between the IASB and the FASB on Accounting for Goodwill)を、2021年2月25日に公表しました。

IASBとFASBに対して、のれんの会計処理に関し、IFRSと米国会計基準の整合性の維持・強化を求めています。

「IOSCO は、常に、厳格かつ首尾一貫して適用される単一で高品質な会計基準を支持してきた。この見解は、G20 やその他の国際機関のリーダー達とも共有している。このことを念頭に置いて、我々は国際会計基準審議会(IASB)と米国財務会計基準審議会(FASB)がのれんの会計処理について互いに密接に協力し、この分野における IFRS と米国会計基準の整合性が維持または強化されることを奨励する。」

最近の動きは...

「我々は最近、IASB のディスカッション・ペーパー「企業結合-開示、のれん、減損」に対するコメント・レターを提出した。我々は、FASB もまた、のれんの会計処理に関する要求事項を見直そうとしていることを承知している。」

具体的には、それぞれのプロジェクトを、両者協力しながら、開発スケジュールもあわせながら、やってもらいたいということのようです。

「我々は、のれんの会計処理に関して、米国会計基準の要求事項が、IFRS の要求事項と可能な限り一致している場合、IFRS と米国会計基準の下で作成された財務諸表の比較可能性が高くなると認識している。経験上、両基準設定主体が各自のプロジェクトを同様のタイムラインで協力的に作業を行うことで、コンバージェンスを達成する可能性が非常に高まる。この分野におけるコンバージェンスの維持と強化は、IASB と FASB にとって引き続き重要な検討事項であると認識している。」

IASBの動きについては当サイトでもたまに取り上げるので、FASBの方の最近の動きを見てみると...

PROJECT UPDATE
Identifiable Intangible Assets and Subsequent Accounting for Goodwill
(FASB)

昨年12月の会議では、のれんの償却を行う場合の論点(償却期間や償却方法)を議論しているようです。

Decisions Reached at Last Meeting (December 16, 2020):

The Board discussed the staff’s research and analysis on goodwill amortization periods and methods for an impairment-with-amortization model, as well as evolving amortization models in which the subsequent accounting for goodwill changes over time. The Board decided that:

1.An entity should amortize goodwill on a straight-line basis; an evolving amortization model would not be permitted.

2.An entity should amortize goodwill over a 10-year default period, unless an entity elects and justifies another amortization period based on the facts and circumstances of the acquisition.

3.An entity that elects another amortization period would be subject to a cap.

4.An entity would not be required to reassess the amortization period.

The Board directed staff to perform additional research and outreach relating to:

1.Factors and criteria that would justify deviation from the default amortization period.

2.How the factors to consider for the amortization period and the criteria to justify a deviation would interact with the specifics of a cap.

実際にこのような方向で基準開発を進めることが確定しているのではなく、のれんを償却する場合には、どうなるのかということを、スタッフに研究させている段階なのではないでしょうか。
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