シルバーゲート・キャピタルという米国の銀行持株会社が、年次報告書を期限内に提出できなくなり、株価が急落したという記事。暗号資産関連企業との取引が多い銀行だそうです。
「預金急減に対応するため債券売却損が膨らんだ結果、銀行子会社の中核的自己資本(ティア1)ベースの自己資本比率は2022年末で5.12%に低下した。銀行規制上「十分な自己資本を持つ」とされる5%以上をかろうじて満たしていた。
1日開示した資料によると、23年1〜2月に追加の債券売却で売却損が生じ、銀行子会社の自己資本比率は規制基準を満たさなくなる可能性がある。「継続企業の前提(ゴーイング・コンサーン)」に及ぼす影響を吟味していると説明した。」
「13年ごろから仮想通貨関連の事業に傾斜し」急成長しましたが、昨年11月のFTX破綻の影響で、預金引き揚げが加速しているそうです。
米シルバーゲート、暗号資産決済ネットワークを停止(ロイター)
「暗号資産(仮想通貨)関連企業を中心に取引する銀行持ち株会社の米シルバーゲート・キャピタルは3日、独自の暗号資産決済ネットワーク「シルバーゲート・エクスチェンジ・ネットワーク(SEN)」を即時停止すると発表した。」
「シルバーゲートショック」の可能性高まる(iFOREX)
「日本ではシルバーゲートの名前を聞いたことがない人も多いかもしれない。この企業はメタ(旧Facebook)が発行するはずだった独自仮想通貨「ディエム(旧リブラ)」が挫折した後、2022年1月に1億8200万ドル(約247億円)でディエムの決済システムを購入した。
しかし2022年には仮想通貨バブルが弾けて仮想通貨市場が低迷したこともあり、シルバーゲートの経営も悪化してきた。メタからシステムを購入して発行しようとした独自通貨も、結局は発行できず購入費用は損金処理された。
そして今週1日になって、日本の有価証券報告書に該当するアメリカの「年次報告書」を、本来の期限までに提出できず遅れると発表された。さらに2日になると、大手仮想通貨取引所のコインベースや、バイナンスUSDを発行していたPaxosなど複数の企業が、シルバーゲートとの取引を停止すると発表した。
これらの動きによってシルバーゲートの経営に対する不安は一気に高まった。そして3日朝方にはビットコインが20万円ほど急落し、他の仮想通貨も3~5%程度下落。この動きはシルバーゲートへの懸念のためと見られている。」