【コラム】ついにマンチェスターCの「ファイナンシャル・ドーピング」にメスが入るのか?
プレミアリーグのマンチェスターCに財務に関する規則違反があったという報道を先日取り上げましたが、どういう規則なのか、違反の具体的内容はどのようなものだったのかなどが、このコラム記事で少しわかりました。
すでに欧州サッカー連盟(UEFA)の規則への違反が指摘され、いったん処分がなされていたようです(後日取消し)。
どのような規則か...
「8割のクラブが赤字といわれてきたヨーロッパサッカーに対して、近年欧州サッカー連盟(UEFA)が主体となりフットボールの持続可能性を向上させる狙いで戦略的に転換を図ってきました。現UEFA会長のチェフェリン氏は、最終的にはサラリーキャップ制度を外す狙いを持っており、そこに向かう段階的な施策としてクラブの売上高によってコスト設定を行う新しいファイナンシャル・フェアプレー(FFP)のルールを設定してきました。」
違反の内容は...
「当初のファイナンシャルルールを適用させたのが2014-15シーズン。その当初にいきなり指摘を受けたのがマンチェスターCでした。最初の処罰として欧州チャンピオンズリーグ(CL)の登録人数の制限の処分を受けるなどしたために、UEFAの本気度が感じられました。クラブのオーナーはアブダビの王族であり、エティハド航空を経営していたことからクラブと巨額のスポンサー契約を締結していました。しかしこのスポンサー契約は適正な価格を上回っているとUEFAは判断。企業の資本規模を大きく超える資金が企業を通してクラブに支払われていたということで、この資金が王族の個人資金であったことが注目されました。そして2020年2月に2シーズンにわたってUEFA主催のカップ戦に参加することができないという処分がくだされました。」
会計的には、これはオーナーとの関連当事者取引ということになるのでしょう。また、スポンサー収入が適正価格を上回っている部分(この判断は難しいと思いますが)は、売上ではなく、オーナーからの贈与として処理すべきなのでしょう。