当サイトでも何回か取り上げた英オートノミー社(米HP社が買収)の不正会計事件で、同社元CEOが詐欺罪で起訴されたという記事。
「検察当局はかなり前からリンチ元CEOを元最高財務責任者(CFO)のサスホバン・フセイン被告の共謀者と位置付けていた。フセイン元CFOは4月、HPによる103億ドル(現在のレートで1兆1680億円)の買収額決定につながった不正会計への関与で有罪の評決を受けている。」
「オートノミーは当時、英ソフトウエア業界2位だった。HPはオートノミーの不正会計を理由に88億ドルの評価損を計上し、米司法省に捜査を求めた。
起訴状によると、リンチ元CEOは「HPなど潜在的な売却先企業にオートノミーをより魅力的に見せるため」、09年と10年に加え11年の早い時期に虚偽と誤解を招く情報を記載した資料を活用した。元CEOは自分のオートノミー株をHPに売却する際に8億1500万ドルを得たという。」
米国の巨大企業であるHPがまんまとだまされるわけですから、経験の乏しい日本企業などは、海外企業買収の際、特に注意が必要なのでしょう。
また、米国の捜査当局は、いくらあやしくても、いきなり企業トップを逮捕して、自白するまで閉じ込めておくというような乱暴なことはやらないようです。(有罪が決まれば、刑罰は日本より思いようですが...)
US charges Mike Lynch over Autonomy sale to HP(economia)
起訴されたのは元CEOと財務担当副社長(会計士とのこと)です。起訴状では、元CEOは、公表財務諸表の正確性に関する責任があった、また、オートノミー社の製品の種類や構成、収益、成長可能性について、市場アナリストや株主に対し、正確に伝える責任があったとされています。
The indictment states that as Autonomy’s CEO, Lynch was responsible for certifying its publicly filed financial statements. He was also responsible for the accuracy of statements to market analysts and shareholders about the nature and composition of Autonomy’s products, its revenue and potential for growth.
副社長は、会社の最も上級な財務専門家として、財務諸表の作成と、独立監査人であるデロイトに対してなされる陳述の正確性について、責任があったとされています。
Chamberlain, as one of the company’s most senior finance professionals, was responsible for the preparation of its financial statements as well as the accuracy of the statements made to Autonomy’s independent auditor, Deloitte.
それにもかかわらず、IFRSに準拠せず、人為的に収益を水増ししたとされています。
Yet the defendants are accused of, among other things, artificially inflating revenues; improperly recording revenue in accordance with IFRS (in particular the accounting requirements for revenue recognition defined by IAS 18), and making false and misleading statements that Autonomy was a “pure software” company while concealing loss-making resales of hardware.
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