東証2部上場のシステム会社ニイウスコーが、民事再生手続きを申し立てたという記事。
「旧経営陣時代に不適切な取引があったとして昨年秋から内部調査した結果、過去5期にわたって決算を訂正した。2007年12月中間期末で278億円の債務超過に陥ったことが判明、自力再建を断念した。」
↓調査結果はこちら
http://ir.nikkei.co.jp/irftp/data/tdnr2/home/oracle/00/2008/441e1f9/441e1f90.pdf
よくある循環取引だけではなく、さまざまな形態の不正が行われていたようです。
その中でも、「リース契約(会社)を利用した不適切な循環取引」は、「売上利益の獲得、または損失計上の回避を目的として、滞留在庫、他のプロジェクトで経費計上していなかったSE作業コスト、自社における設備投資物件に関わる製品等を売上原価として、いったん売上計上し、売却先または転売先経由で、会社がリース会社からリース資産または買取資産として計上するスキーム」です。どのくらいの金額かはわかりませんが、要するにまったく架空の売上を計上し、最終的にはそれを、リース会社経由で買い取ったり、リース契約のかたちで債務を引き受けたりしていた(この場合はオフバランス)という不正です。
そのほか、「売上の先行計上とその後の失注処理、買戻しによる循環取引」(売上の飛ばし?)や「不適切なバーター取引による売上」(市場での実際の水準から嵩上げされた価格で相手方に売却し、相手方または転売先から別の商品を購入する取引)など、やりたい放題です。
ただ、調査結果をみる限り、どの不正も、取引先と共謀して行われているようであり、取引の形式は整っていたのでしょう。発見が難しい面はあったのかもしれません。
会計不正―会社の「常識」監査人の「論理」 浜田 康 by G-Tools |
この本でも、取引先が協力している不正について、問題提起しています。
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