暗号資産交換業者FTXの経営破綻の続報。
米国の連邦地検が捜査に入ったそうです。また、米SECも少し前から調べているとのことです。
「非公開情報を理由に関係者が匿名を条件に語ったところでは、FTXの顧客資金の扱いやグループ会社同士の関係、内部統制を含めて、世界有数の暗号資産交換業者がこれほど早く破綻に至った経緯の全容解明を規制監督当局と捜査当局は目指す。米証券取引委員会(SEC)もFTXが破産申請する前の段階から同社と米国部門などを証券規則違反の疑いで調査しているとブルームバーグは先週伝えていた。」
正式の決算書ではなさそうですが、会社の貸借対照表も出てきたようです。
「FTXトレーディング・インターナショナルは破産申請前日の10日時点で負債が約90億ドルに対し、流動資産は9億ドルに過ぎなかった。貸借対照表の限定的バージョンを見た関係者が明らかにした。貸借対照表には「内部で適切に分類されていない隠された」法定通貨口座が80億ドルのマイナス状態にあることや、ユーザーが先週50億ドル引き出したことにも言及があった。」
「法定通貨口座」というのが、顧客から預かっている法定通貨建ての預り金のことだとすると、それがマイナスになっているということは、預かっている金額以上の法定通貨が、流出してしまったということでしょうか。「適切に分類されていない」ということだと、帳簿がぐちゃぐちゃで誰に払い戻したのかもわからない、という状態なのかもしれません。
ライバル企業であるバイナンスのCEOのコメント。
「バイナンスの趙CEOはインドネシアで開かれた20カ国・地域(G20)ビジネス・サミット(B20)で、FTX破綻からの仮想通貨市場の回復を後押しする基金を立ち上げると表明し、「急成長しようと正しい手続きを省こうとする」悪いプレーヤーが同業界にはいると指摘。変動の激しい仮想通貨市場で業界大手は「しっかりとした基準を設定」するべきだと呼び掛けた。
趙氏はFTXを買収する計画を打ち出しながら、翌日に撤回した経緯がある。同業他社に振る舞いを改めるよう主張し、「悪いプレーヤーを守れる者は誰もいない」と述べた。」
世界有数の仮想通貨取引業者が「悪いプレーヤー」だったということでしょうか。
日本法人では...
「暗号資産交換業者FTXジャパンは14日、親会社が米連邦破産法11条に基づく会社更生手続きを申請した状況下で、預かっている資産の顧客への出金が可能かについて顧問弁護士と協議を行っていることを明らかにした。」