企業活力研究所(経団連(当時)などと通商産業省(当時)の支援により設立されたシンクタンクで、その後一般財団法人化)は、「平成29年度「CSR研究会」報告―新時代の非財務情報開示のあり方―(多様なステークホルダーとのより良い関係構築に向けて)」を公表しました(公表日付は3月)。
「多様なステークホルダーに向けた開示のあり方に関する考察を行う」「企業の非財務情報開示の現状と課題を明らかにする」といった目的で行われた調査の結果をまとめたものです。
本文は70ページほどですが、企業・官庁などへのインタビュー調査、研究会での各種団体・企業などのプレゼン資料、海外事例など、資料がたくさんついていて、全部で300ページ近くになっています。
報告書では、現在の非財情報開示をめぐる課題として、 4 つの課題を挙げています。
【課題1】 見失われている非財務情報開示の本質と「ESG 評価至上主義」
【課題2】 ESG の同床異夢によるステークホルダーの情報ニーズに対するギャップ
【課題3】 国際社会の関心への対応不足
【課題4】 ステークホルダーの情報ニーズを企業の価値創造に結び付ける方法論の欠如
また、以下のような提言を行っています。
<提言-企業に向けて>
提言1: 社会の持続可能性と自社にとってのリスクと機会の関係を見極め、中長期の価値創造活動を整理する
提言2: 重要なステークホルダーの期待を把握し、自社の事業特性を踏まえたコミュニケーション戦略を構築する
提言3: 経営トップが先頭に立ち組織的な統合戦略の策定と開示文化の醸成を推し進める
提言4: 企業特性に応じた情報開示を追求する
<提言-多様なステークホルダーに向けて>
提言5.非財務情報が適切かつ効率的に開示され、評価されるインフラを共創する
提言6.政府はスマートミックス(義務的要請と自主的取り組みの組み合わせ)に基づく政策を追求する
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