会社法改正案が閣議決定されたという記事。
改正内容は...
「改正案には「上場会社は社外取締役を置かなければならない」と明記した。(1)監査役会を置き、株式の譲渡制限がない(2)資本金が5億円以上または負債総額200億円以上の大会社(3)有価証券報告書の提出義務がある――のいずれも満たす企業を対象とする。」
記事でいっているように、コーポレートガバナンス・コードが先行しているので、あまり影響はなさそうです。
「株主総会で株主1人が提案できる議案を10件までとする上限を設ける。1人の株主が100件以上を提案した例があり、株主総会の運営をより円滑にする見直しだ。総会資料のインターネットによる電子提供も可能になる。これまでは原則郵送していた。」
社外取締役を上場企業などに義務づけ 会社法改正案を閣議決定(NHK)
「取締役の個別の役員報酬の内容が株主総会で決定されない場合は、取締役会が報酬の決定方針を定め、概要などを公開することを義務づけています。」
株主提案 1人10件まで/役員の賠償金 企業補償
会社法改正案を閣議決定 政府、今国会成立目指す(日経)(記事冒頭のみ)
「同改正案では取締役に対する規定も整える。取締役会で個別の報酬内容の決め方を定め、株主総会で説明するようにする。これまで株主総会で全員の報酬総額の最高限度を定め、それぞれの取締役への配分は代表取締役が決めることなどが一般的だった。
今回の法改正では、取締役それぞれの報酬額の開示は見送られたが、個別の報酬種類ごとの比率や業績連動報酬の有無などの開示は進む見通しだ。
一方、役員が業務上抱えるリスクの軽減策も盛り込んだ。役員が賠償責任を負った場合、弁護士費用や賠償金を企業が補償できることを明確にする。企業によっては役員と個別に契約を結び、補償できるようにしているが、法律上の規定はない。役員が過度にリスクを回避しなくて済むようにする。法的な裏付けがあれば役員のインセンティブにもなる。西本強弁護士は「会社補償で弁護士費用が払えるようになれば国際的な人材を確保しやすくなる」と評価する。」
役員のリスク軽減策が盛り込まれたことについて、意地悪な見方もあります(書いている人も元官僚ですが)。
↓
天下りがさらに増えて経営者の不祥事もスルー?「会社法改正」が危ない!(週プレ)
「では、どうしてこんなに矛盾したふたつの内容を持つ改正案が出てきたのだろうか。
実は官僚から見ると、このふたつの改正は自分たちの天下り利権拡大のために非常に好都合なものだ。まず、非上場の大企業を含めて社外取の設置義務づけで、社外取人材への需要は拡大する。
なかでも、元官僚へのニーズは大きい。企業から見ると、元官僚は社会的信用が高い。しかも空気を読むのがうまくてあれこれと経営に口出しすることがない。つまり、経営者から見て「理想的」な社外取なのだ。
一方、元官僚たちにも悩みはある。月に数回、取締役会などに出席してアリバイ的な意見を言うだけでも、まじめにやれば膨大な資料を読みこなし、会社の経営状態に精通しないといけない。社外取の報酬は年間1000万円を超えることは少ない。
官僚時代の年収を維持するには3社以上の社外取の兼職が必要なことも多く、負担が大きすぎるのが問題だった。
だが、今回の改正で企業からの引き合いは増え、4社、5社と社外取を掛け持ちしてもリスクなし。気楽な稼業でがっぽりと報酬を稼ぐことが可能になる。その行く着く先は企業統治のさらなる劣化だ。」
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