日本公認会計士協会は、6月3日に、金融担当大臣に対し、ディスクロージャー制度・監査制度のあり方の検討に係る要望書を提出しました。
内容としては、5月21日に公表された「上場会社のコーポレート・ガバナンスとディスクロージャー制度のあり方に関する提言 -上場会社の財務情報の信頼性向上のために-」をまとめたものです。ただし、順序は、以下のように、ディスクロージャー制度・監査制度に関する提言の方が前に置かれています。
ディスクロージャー制度・監査制度
・有価証券報告書の財務諸表と計算書類の実質的一元化
・有価証券報告書の提出時期の見直し
・個別財務諸表の開示の検討
・金融商品取引法と会社法に基づく監査制度の一元化
上場会社のコーポレート・ガバナンス
・会計監査人の選任・報酬の決定
・監査役の機能の強化
当サイトの関連記事(会計士協会の提言について)
会計監査人の選任議案及び監査報酬の決定権を監査役等に付与する措置の検討等の要望書を提出
法務大臣に対しても、同様の趣旨の要望書を提出しています。
これらの要望書の中で、会計士協会は、監査役の役割を強化し、監査報酬の決定権も与えるべきといっていますが、そうなった場合、会計士にとって、本当に有利なのでしょうか。法律上そう定めても、実際は監査役が経理部などと相談しながら決めるのでしょうから、経理部からも報酬を値切られ、さらに監査役からも値切られるというケースがむしろ多くなるのではないでしょうか。役員報酬と同じでお手盛り防止が目的と考えれば、監視する立場である監査役は値切るのが当然という考え方も成り立ちます。
もちろん、会計士に不利になっても、コーポレートガバナンスの筋を通すべきというのであれば、反論はできませんが・・・。また、選任に関してはオピニオンショッピングの抑止にはなるでしょう。
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