会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

会計不正5年で3倍、粉飾や資産流用 統治実効性課題(日経より)

会計不正5年で3倍、粉飾や資産流用 統治実効性課題

会計士協会の集計に基づき、国内企業の会計不正が急増しているという記事。

「国内企業の会計不正が急増している。日本公認会計士協会によると、2020年3月期は101件と前の期から7割増え、5年前の3倍だった。」

「財務諸表の意図的な虚偽にあたる粉飾決算、着服など資産流用の2つを不正と定義し、公表日を基準に集計した。前期は粉飾が前の期比8割増え、全体を押し上げた。内部通報制度が浸透し、不祥事が表面化しやすくなった影響もある。

個別では、ジャパンディスプレイで過去の在庫の過大計上が、ネットワンシステムズで東芝子会社などが関与した架空取引が発覚した。イオンフィナンシャルサービスはフィリピン現地法人で利益の過大計上があった。途上国企業は統治面で未熟な面があるという。」

会計士協会から先日公表された「上場会社等における会計不正の動向(2020年版)」に基づいているようです。2020年3月期の101件というのはあくまで件数で、1社で不正手口が複数存在する場合は、手口の数が件数になっているようです。会社数では、46社です。

会社数ベースでも増加傾向ですが、実際に不正が増えているのか、外部監査や内部監査の精度が上がって不正を発見しやすくなったのか、あるいは、東芝粉飾事件などの影響で、今までなら発覚した年度の損失などとして処理していたような規模の不正(公表もしない)でも、過年度訂正を行う(訂正したことの開示も行われる)ようになったためなのかはわかりません。協会報告書でも「これは既に発生している会計不正の氷山の一角にすぎず、会計不正の実態を示していない可能性があるため、本研究資料を使用する場合は、その点に留意が必要である」と注意喚起しています。
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