会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

吉本興業が「中小企業」に? 大幅減資、税負担軽く(朝日より)

吉本興業が「中小企業」に? 大幅減資、税負担軽く

吉本興業が、125億円の資本金を1億円に減資するという記事。税負担軽減がねらいだそうです。

「減資は6月の株主総会で決議された。吉本興業は2010年に株式公開買い付け(TOB)を実施して上場を廃止した際の資金調達で借金が膨らんだ。3月末の利益剰余金は140億円のマイナスとなり、財務体質の改善が急務となっている。

 官報の決算公告によると、15年3月期の純損益は、子会社株の評価損などで特別損失を47億円計上したこともあり、32億円の赤字だった。広報担当者は減資の目的について「中長期的な視点で、資金を効果的な投資に振り向けていくため」と説明する。」

記事でいっているように外形標準課税を回避するねらいがあるのでしょう。また、大きな赤字が損金になるような赤字であれば、繰越欠損金が発生していると考えられます。中小企業化して、繰越欠損金を100%活用したということもあるのかもしれません。

タレントへの「出演料遅配」報道も… 吉本興業、減資で懸念される財務状況(産経)

「同社の財務悪化をめぐっては、これまでも何度か取り沙汰されてきた。特に平成22年のTOB(株式公開買い付け)による非上場化以降は、取引先への支払い猶予要請やタレントへの出演料などの遅配が一部で報道されるなど、同社は否定しているものの“不透明さ”も目立ってきた。」

吉本興業、「中小企業」に 資本金1億円に減資
財務体質を改善
(日経)

「吉本興業は9月1日付で資本金を125億円から1億円に減資する。6月の株主総会で承認を得ており、取り崩した分は資本準備金に充てて財務体質を改善するとともに新規事業などの成長投資を増やす。」

資本金を純資産の部のほかの項目へ振り替えるという取引なので、それだけで「財務体質を改善」することにはなりません。
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