日本公認会計士協会は、「ライブドア監査人の告白」を書いた会計士に対して、信用失墜行為があったとして戒告処分を行いました。
以下協会のプレスリリースより。
「他の公認会計士、公認会計士業界、他の被監査会社、一般社会等いわゆる第三者との関係においては、本書の出版行為が情報漏洩の不安や監査人への不信感の発生により、我が国の公認会計士監査制度に対する信頼性の低下を招きかねないと判断されたので、公認会計士としての信用失墜行為に該当するものと認めた。」
「本書の中で関係会員は、LDが利用したファンドスキームの解明に当たり、被監査会社との信頼関係維持の上で、公認会計士としては、本来、行ってはならない「盗み見」行為をし、その行為の状況描写を不適切な表現で詳述しているが、当該「盗み見」行為を行ったことの記述及びその表現方法が不適切であることも、公認会計士としての品位にもとり、また、その影響が第三者に及ぶおそれもあり、信用失墜行為に該当するものと認められた。」
後段部分については、会計士は会社から提示された資料を調べるのであって、勝手に会社の書庫や金庫から書類を持ち出して見ることができないのは当然ですから、「盗み見」行為を自慢げに本に書くというのはおかしいといえます(ただし、会計監査に必要な書類の提示を求めることはできるし、それが正当な理由なく拒絶されれば、意見不表明になる場合もある)。
前半部分については、告発本を書いたこと自体を処罰しようとしているようにも読めます。もちろん告発本を推奨はできませんが、会社側が黙認しているようなケースまで処分する必要があるのでしょうか。
ライブドア監査人の告白
田中 慎一
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ライブドアの内幕執筆の会計士、公認会計士協会が戒告処分
ライブドア元監査人に戒告処分 本出版が「信用失墜」