会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

京セラ、米預託証券の上場を廃止 会計基準はIFRSに(日経より)

京セラ、米預託証券の上場を廃止 会計基準はIFRSに

京セラが米国上場をやめるという記事。

「京セラ(6971)は26日、ニューヨーク証券取引所(NYSE)に上場する米預託証券(ADR)の上場を廃止すると発表した。米証券取引委員会(SEC)への登録も廃止。現在ADRを保有する投資家への影響を考慮し6月から9月の間にNYSEに上場廃止を通知し、一定期間経過後に上場廃止となる。上場廃止後も米店頭市場でのADR取引は継続する。」

「NTT(9432)やパナソニック(6752)など、日本企業によるADRの上場廃止が相次いでいる」とのことです。

(京セラの監査人(京都監査法人)もPCAOB検査の対象会社が減って少し楽になる?)

会計基準もIFRSに変更です。

「併せて国際会計基準(IFRS)を2019年3月期から適用すると発表した。現在は米国会計基準を採用している。」

米国預託証券のニューヨーク証券取引所における上場廃止申請及び米国証券取引委員会の登録廃止申請に関するお知らせ(京セラ)(PDFファイル)

「当社は、米国証券市場における当社株式の流通促進、及び当社の国際的な知名度向上を目的として昭和 51 年 2 月に米国で ADR を発行し、昭和 55 年 5 月に ADR を NYSE に上場しました。以来、米国証券取引法に基づく開示義務への対応、米国会計基準による連結財務諸表の作成、米国企業改革法の求める内部統制の構築のほか、株主及び投資家に対する積極的な情報開示に努めてきました。

一方で、日本の証券市場の国際化進展による外国人投資家の日本市場での株式取引増加や、日本の法令及び会計基準等の改正により、日米間における開示や内部統制に関する差異解消が進展する等の大きな環境の変化がありました。また、近年の NYSE における当社 ADR の取引高は減少傾向にあることから、当社は上場継続の経済的合理性が低下したと判断し、NYSE 上場廃止及び SEC登録廃止の申請を行うことを決定しました。」

国際財務報告基準(IFRS)の任意適用に関するお知らせ(京セラ)(PDFファイル)

目的は「グローバルベースでの経営管理の更なる強化等」というあっさりした書き方です。

来期の第1四半期から変更とのことです。

最近のIFRS任意適用の発表より。

国際財務報告基準(IFRS)の任意適用に関するお知らせ(JVCケンウッド)(PDFファイル)

「当社は、資本市場における財務情報の国際的な比較可能性の向上や、グループ内の会計基準統一による経営基盤の強化を目指し、当社グループにIFRS を任意適用することといたしました。」

2018年3月期の有報から適用です。

国際財務報告基準(IFRS)の任意適用に関するお知らせ(サッポロホールディングス)(PDFファイル)

「当社グループは、日本、北米、アジアなど、グローバルな事業展開を推進しておりますことから、資本市場における財務情報の国際的な比較可能性の向上、グループ内での会計処理統一を目的とし、IFRS を任意適用することといたしました。」

2018 年 12 月期第1四半期から適用です。

国際財務報告基準(IFRS)の任意適用に関するお知らせ(クボタ)(PDFファイル)

米国基準からの変更で、2018 年 12 月期第1四半期からの適用です。

国際財務報告基準による連結財務諸表の開示に関するお知らせ(コカ・コーラ ボトラーズジャパンホールディングス)(PDFファイル)

「当社は、2018年12月期期末より、当社グループの連結財務諸表および連結計算書類について、財務情報の国際的な比較可能性を高め、株主・投資家のみなさまの利便性向上に資することを目的として、従来の日本基準に替えて、国際財務報告基準(InternationalFinancial Reporting Standards; IFRS)に基づいて提出することを本日開催の取締役会において決議いたしましたので、お知らせいたします。 」

公認会計士等の異動に関するお知らせ(コカ・コーラ ボトラーズジャパンホールディングス)(PDFファイル)

コカ・コーラ ボトラーズは監査人の変更も発表しています。(めずらしく?)新日本への変更です(あずさから)。(米コカ・コーラの監査人の関係?)

「監査等委員会が、新日本有限責任監査法人を公認会計士等の候補者とした理由は、現会計監査人の継続監査年数を考慮し、当社の会計監査人の選定基準および評価基準に従い、独立性、品質管理体制およびグローバルな監査体制等を総合的に検討した結果、新たな視点での監査が期待できると判断したためであります。」

他方、こちらは、新日本からあずさへの変更例。

公認会計士等の異動に関するお知らせ(日本ペイントホールディングス)(PDFファイル)

「監査役会が有限責任 あずさ監査法人を会計監査人の候補者とした理由は、現会計監査人の監査継続年数を考慮し、有限責任 あずさ監査法人を起用することにより、新たな視点での監査が期待できることに加え、同法人の専門性、独立性、適切性および品質管理体制について監査役会が定める「会計監査人の適性評価基準」に基づき検討を行った結果、適任であると判断したためであります。」

昨年10月の日経記事では、あずさ監査法人が新規受注を1年間停止するということになっていましたが、方針変更なのでしょうか。

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