伊藤忠商事の課長が20年以上にわたり帳簿上の輸入・販売量を不正に操作して、累計約37億円の利益を水増ししていたという記事。
「元課長はこの商品の取引を長年一人で担当していたといい、同社は定期的な配置換えの徹底など再発防止策を講じる。」
伊藤忠・元課長、架空利益計上で解雇 特別損失38億円
「伊藤忠によると、元課長はブラジルからエタノールを輸入して日本や韓国の酒造会社へ売る事業で、架空の在庫を計上して仕入れ値を安く見せかけるなどの手法で、平均して年2億円程度、架空利益を計上していた。」
架空在庫が38億円も計上されていたわけですが、1期ならともかく、10年以上もだまし通せるものなのでしょうか。運送途中の積送品とでもしていたのでしょうか。架空在庫で利益を毎年2億円出すということは、在庫が毎年2億円ずつ増えていくわけですから、わかりそうなものですか・・・。
会社のプレスリリース(PDFファイル)
不正の手口はプレスリリースで説明されています。海外サプライヤーからの未着在庫を操作していたようです。不正が長期間発覚しなかった理由についてもふれていますが、未着在庫の実在性を検証する作業が行われていなかったことも原因として挙げられています。また、取引の間に入っていたシンガポール現地法人との債権債務照合も不十分だったようです。
架空在庫を修正する会計処理については、過年度決算を遡及修正するかどうか検討中とのことです。ただし、会社法決算では、特別損失処理するといっています。
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