会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

会社分割:制度悪用し架空会社 容疑の男逮捕 広島県警(毎日より)

会社分割:制度悪用し架空会社 容疑の男逮捕 広島県警

会社分割を利用して架空会社を設立したとして、経営コンサルタント会社の実質的経営者が逮捕されたという記事。

会社分割制度を悪用し、架空会社を作ったとして、広島県警は25日、電磁的公正証書原本不実記録・同供用の疑いで東京の男1人を逮捕した。捜査関係者によると、生活困窮者らを社長にして、200社以上が設立されたとみられ、1社20万~30万円で詐欺グループに売却された疑いがある。」

「・・・容疑者らは09年1月、衣料品販売「ゲデュア」を東京都渋谷区に資本金1000万円で設立したなどとする、虚偽の申請書を東京法務局渋谷出張所に提出した疑いが持たれている。」

「・・・買収した休眠会社などから、「ゲデュア」を含めて200~900の会社が分割・再分割されて設立された。社債詐欺や未公開株詐欺などの犯罪グループからの発注を受け、1社20万~30万円で売却した可能性が高いという。」

資本金ゼロ円なら、あまりコストをかけずに、設立させることができるのでしょうが、資本金1000万円の会社を普通の方法で設立するためには、いったん1000万円の資金を用意しなければならないので、それなりのコストと時間がかかります。具体的な登記手続などはよく知りませんが、会社分割で元の会社から資産を引き継いだことにすれば、実際に資金を用意することなく、簡単にいくらでも会社を設立できるのでしょう。詐欺師も会社法をよく勉強しているようです。

ところで、この容疑者らは会社法を遵守しようとはそもそも考えていなかったのでしょうが、現行のルールによれば、含み損のあるような資産を新会社に引き継がせるなどすれば、最初から、実質的に資本が損なわれた会社を合法的に設立することが可能なはずです。そういう会社の取引先からすれば、詐欺的に感じるかもしれません。

会社分割制度悪用:架空会社22社、犯罪に(毎日)
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