新日鉄住金によるIFRS採用の意味を解説した記事。単にIFRS適用会社が1社増えたという話ではないようです。
「1月20日の(日経)記事だけを見ると、単に「IFRSを採用する企業がまた1社増えた」というだけのニュースに思える。だが、私には新日鉄住金がIFRSを採用したことよりも、修正国際基準(JMIS)を採用しなかったことの方が大きなニュースなのだ。」
「金融庁が修正国際基準を作成した狙いは、日本企業にとってのIFRS適用の敷居を下げて、IFRSへ移行しやすくすることだ。しかし、日本が独自に修正したものが“国際基準”として認められるわけがない。IFRS当局は早々にその旨を公表している。JMISは「Japan's Modified International Standard」の略称であるが、日本が勝手に修正したものにInternational Standardと名付けるのは失笑ものでさえある。」
「実は、修正国際基準という案を打ち出したのは新日鉄住金だったと言われている。そもそも、新日鉄住金はIFRS反対派の有力な1社と目されていた。2011年5月、当時の金融庁長官宛てに「我が国のIFRS(国際会計基準)対応に関する要望書」という、強制適用に実質的に反対する意見書が21社1団体の連名で提出された。そこには合併前の新日本製鉄と住友金属工業が含まれていた...。」
「IFRS反対派だった新日鉄住金が修正国際基準(JMIS)を捨ててIFRSを採るという事実は、世界の潮流にもはや抗(あらが)えないことを物語っている。そして、抗う必要もないのである。」
「日本版IFRSである修正国際基準(JMIS)は誰にも使われないまま、いよいよ葬り去られるのかもしれない。」
ASBJの貴重な国際人材を使って、無意味な修正国際基準(JMIS)のメンテナンスをこれからずっとやらせるというのは、無駄なことです。そろそろ廃止すべきでしょう。
(JMISを適用するという物好きな会社が1社でもあらわれたら大ごとです。その会社のために、基準のメンテナンスを継続しなければならなくなります。)
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