ASBJのサイトに、金融資産の分類及び測定についての新しい国際財務報告基準(IFRS)のプレスリリース翻訳が掲載されています。
「IFRS第9号のアプローチは、企業が金融商品を管理する方法(事業モデル)と金融商品の契約上のキャッシュ・フローの特徴を基礎としている。 新基準は、単一の減損方法を用いることを要求し、IAS第39号の多くの異なる減損方法を置き換えている。 このため、IFRS第9号は、比較可能性を改善し、投資家や他の利用者にとって財務諸表を理解しやすくするものである。」
「IFRS第9号「金融資産」の強制適用の発効日は、2013年1月1日である。 G20首脳等の要請に合わせて、早期適用は2009年度末の財務諸表について認められる。」
ただし、EUによる承認が留保されていることは、当サイトでも取り上げました。
このIFRS第9号の解説としては、新日本監査法人のサイトに掲載されているものが、詳しいようです。
IASBによるIFRS第9号の公表~IAS第39号の抜本改訂プロジェクト・フェーズ1の最終化(PDFファイル)
時価評価するものと、償却原価で計上するものをどのように分類するかが大きなポイントです。分類は、企業が金融商品を運用する上で用いるビジネスモデルと、 金融商品の契約上のキャッシュ・フローの特徴によって、判定されます。この解説でも、約半分を使って、分類を説明していますが、たとえば証券化商品やノンリコースローンなどでは判定が難しいようです。
「市場における公表価格がなく、従前、取得原価で測定されていた持分金融商品」をどうするかも、論点となっていました。この点は草案から変更がなく時価評価しなければなりませんが、「必要な情報が存在しない、あるいは不足している場合等においては、取得原価が公正価値の最善見積りとみなせる場合もありうる」のだそうです。ただし、「取得原価を用いることが適切ではない状況に関するガイダンス」も提供されており、「アーンスト・アンド・ヤングは、昨今の市場の混乱を所与の条件とすると、このガイダンスに基づき、持分金融商品の取得原価が現在の公正価値に近似しているとみなせる状況は限定的であろうと考えている」そうです。
ところで、米FASBの議長は、英国の会計サイトのインタビューで、欧州は会計基準設定への干渉をやめるべきだと述べています。
Europe must stop its meddling, says FASB chief
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