エンロンの監査に絡んだ文書を隠滅したというアーサーアンダーセンへの有罪判決が、米国の最高裁で覆ったという記事。(リンク先の記事は差し換わっており、以下のコメントとは対応しません。)
アンダーセン側は、メモや調書のドラフトが廃棄されたのは、事務所の文書(調書)保存ポリシーに基づくものであり、それらが仮の文書であり誤解を与える可能性があったからだといっていましたが、そういう主張が認められたことになります。
According to Andersen attorneys, notes and drafts of documents were thrown away under the firm's document-retention policy in part because they were preliminary and could have been misconstrued.
この裁判は、アンダーセンにエンロン粉飾を見逃した責任があるかないかを裁くものではなく、監査に関係した文書を処分したことが違法かどうかという裁判です。専門家は、もし、証拠隠滅の意図がなくても文書を処分しただけで有罪になるとしたら、会社は訴追を招くおそれから、すべての書類を保存しなければならなくなるといっています。
A ruling against Andersen would have had onerous consequences for businesses, whose discarding of files is an everyday occurrence. Experts say companies would have to keep all files for fear that any disposal, however innocent, could subject them to potential prosecution.
この判決で、アンダーセン消滅の直接の原因となった証拠隠滅容疑が否定されたことになります。エンロン粉飾への関与まで否定されたわけではありませんが、真相が明らかになる前に短期間で「おとりつぶし」にする必要があったのかは、疑問が残ります。
関連記事
最近の「会計監査・保証業務」カテゴリーもっと見る
最近の記事
カテゴリー
バックナンバー
2000年
人気記事