ジャスダックに上場していた「トランスデジタル」が見せかけの増資で資本金を水増ししたとして、同社社長らが再逮捕されたという記事。
「捜査2課と証券取引等監視委員会によると、トランス社は2008年7月29日から第三者割当増資を実施。後藤容疑者らは払い込まれた資金をいったん引き出し、再び払い込む手口で、増資額計17億4400万円のうち約9億円が実際には同社に入っていないのに、同月31日までに投資家向けに増資完了を発表。同年8月14日、資本金増額の虚偽の登記をした疑いがある。」
同社の四半期報告書(2008年4月~6月)をみると、単純な増資ではなく、新株予約権を発行し(引受先は「TD戦略投資事業組合」という投資事業組合)、その行使によって増資が行われたようです。
後発事象の注記に新株予約権行使状況が出ています。
(行使価額総額)
平成20年7月29日 1,016,000,000 円
平成20年7月30日 184,000,000 円
平成20年7月31日 544,000,000 円
平成20年8月1日 136,000,000 円
平成20年8月4日 248,000,000 円
平成20年8月5日 224,000,000 円
平成20年8月6日 40,000,000 円
平成20年8月8日 16,000,000 円
平成20年8月12日 32,000,000 円
もし容疑のとおりだとすると、増資資金はほとんど会社の中にとどまる(あるいは営業資金や設備投資に充てられる)ことなく、再び払い込みに使われていたことになります。
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