大豊建設(東証1部)のプレスリリース。
従業員による不正⾏為について調べた外部調査委員会の調査結果を受けて、再発防⽌策を検討し決定したとのことです。
また、遅れていた第3四半期報告書を、3月12日に提出しています。
再発防止策は...
「当社は、コンプライアンスに対する意識の醸成、⼈事ローテーションの⾒直し、外注契約に関する⼿続きの⾒直し、管理部⾨の牽制機能強化、内部監査の充実、本件不正⾏為に対する厳格な対応等により再発防⽌に取り組むことといたしました。」
コンプライアンスや人事の課題など一般的のものだけでなく、建設業らしい内部統制に関わるものも含まれているようです。
「⼟⽊本部、建築本部において予算を超過した⼯事の適正な原因追及と当該原因の共有に係る⽅法の検討、並びに予算超過⼯事発⽣時の報告⽅法の⾒直し等を⾏うとともに社員に対し、個々の⼯事について予算の超過如何に拘るのではなく、⽀店⼜は会社全体としての利益を考える姿勢を徹底させるよう指導して参ります。 」
「特定の外注⼯事等について複数の協⼒業者があるときは連続して同じ協⼒業者に発注しないなどの運⽤ルールを定めることなども検討いたします。 」
「下請契約約款および物品納⼊約款の改定を⾏い、不正⾏為を⾏っていないことを表明保証する条項、以後も⾏わないことの誓約条項、当社による監査の受忍義務及び誓約条項違反があった場合の無催告解除条項を追記し、協⼒業者が不正な会計処理に協⼒することの無いよう改めると共に、協⼒業者からの通報窓⼝を設置し、コンプライアンス違反⾏為を未然に防ぐ体制を整備します。
また、「協⼒業者評価表」⼜は「新規協⼒業者評価表」の評価項⽬を⾒直し、コンプライアンスに係る項⽬を追加致します。 」
「予算、収⽀管理、出来⾼及び⽀出を⼀元的に管理するシステムを導⼊するためプロジェクトチームを置き、1年以内の導⼊開始、3年以内の移⾏完了を⽬標として取り組みます。
また、増額契約あるいは減額契約において、理由や必要性を各⽀店の⼯事部⾨や総務部⾨がチェックすることができる体制を構築します。」
「下請契約約款の改定に併せ、協⼒業者への発注業務も(内部監査の)監査項⽬に加えるとともに、協⼒業者へのインタビューも実施して参ります。」
3月12日発表の決算短信。不正についてもちらっとふれています。
↓
2021年3月期 第3四半期決算短信〔日本基準〕(連結)
「またこの度、外部調査委員会による調査の結果、当社の各支店において、以下の不正行為が行われたことが確認されました。
①原価付替不正
当社の東北支店、東京建築支店、名古屋支店、大阪支店及び九州支店において、当社が外部業者に発注する工事等の原価が、異なる工事等の原価に付け替えられていたことが確認されました。
②私的流用
当社の大阪支店建築部において、材料納入業者に対して契約金の水増し又は架空発注を行い、当該水増発注分の金額を私物の購入代金に充当するという行為が行われていました。
調査の結果判明した不正の金額の合計は291百万円であり、売上高、売上原価への計上額等は、過年度及び当連結会計年度における各四半期(連結)財務諸表等に与える影響を検討した結果、当社は過年度と当連結会計年度の各四半期連結財務諸表及び財務諸表に与える影響は軽微と判断し、遡及修正は行わないこととしました。
なお、当該不正取引による影響額は、それぞれ適切な科目にて計上しています。」
四半期連結財務諸表も、無事、無限定の結論だったようです(監査人はあずさ)。
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