「議決権行使助言会社」に対する規制が米国で始まることになり、日本国内でも規制論が出てきているという記事。
「株主総会での投票について機関投資家に賛否を助言する「議決権行使助言会社」への監視の目が強まっている。影響力の大きさにもかかわらず、判断の根拠や会社の実態が不透明なことから、米国は2022年総会シーズンから規制対象とする。国内でも規制が必要との声が出ている。」
「米国では20年7月、規制の導入が決まった。助言会社の推奨が証券取引規制の対象となる「勧誘」に相当すると明確化し、助言会社が推奨を投資家に渡す際に対象企業にも送付することを義務付ける。企業が反論や補足説明をした際は、助言会社が投資家に速やかに伝えるよう求めており、22年の総会シーズンから適用する。」
日本では、スチュワードシップ・コードで取り上げているそうです。
「日本でも20年3月に金融庁が機関投資家の行動指針(スチュワードシップ・コード)を改定。助言会社に対して日本拠点で十分な人員や組織を整備するよう求める項目を新設した。法的拘束力はないが、企業側との積極的な意見交換なども促している。」
助言会社の体制は不透明なようです。
「助言会社の判断根拠や体制について不透明さを指摘する声は多い。ISSは19年末時点で欧米やアジアに約720人のアナリストを抱える。「推奨基準にも多くの投資家の意見が反映されている」(ISSの石田猛行日本法人代表)とするが、日本拠点の人員などは開示していない。取材にも「コメントできない」と回答した。
20年1月に東京に正式な拠点を設けたグラスルイスも非公表で、「6月の総会集中期は一時的に人を雇っている」(アジア地域担当の上野直子氏)と説明するにとどまる。甲南大学の梅本剛正教授は「助言会社に基本的な活動内容の開示を求めても負担は少ない」として、透明化を促す規制を検討すべきだと指摘する。」
「議決権行使助言会社」の助言が問題になった実例として、東京ドームと天馬の総会の例を挙げています。
また、規制などに関する2人の学者(一橋大学・高橋真弓准教授、甲南大学・梅本剛正教授)の見方を紹介しています。
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