松坂屋の100%子会社の経理担当者(元部長)が、20年間にわたり、約6億3300万円を着服していたという記事。着服したカネは商品先物取引に使っていたようです。
プレスリリースによれば、この子会社の売上高は、約19億円(2005年2月期)しかなく、会社の規模と比べても大きな損害額です。書類の偽造等により同社の銀行口座から着服したとのことですが、発表では「簿外債務」といっているので、簿外の借入金があったのでしょう。どこの金融機関が貸していたのかはわかりませんが、決算書との不一致には気付かなかったのでしょうか。
また、簿外となった借入以外に全く取引のない金融機関からの借り入れでない限り、取引金融機関に対する期末の残高確認をきちんとやっていれば、発見できそうな不正です。おそらく、親会社の会計監査や内部監査でも、この子会社のことは(規模的にも質的にも)リスクが高い会社とは見ておらず、厳密な監査を行わなかったのでしょう。
いろいろと疑問点はありますが、親会社の規模から考えて、今後、内部統制評価・監査制度が導入されたとしても、この程度の不正は、網にかからないかもしれません。
松坂屋のプレスリリース(PDFファイル)
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