ベトナム民営銀の巨額横領、不正融資6兆円か 来月初公判 汚職横行投資熱に冷や水(記事冒頭のみ)
ベトナムのサイゴン商業銀行という民営の銀行の乱脈融資事件の裁判が始まるという記事。以前の報道では2兆円規模とされていましたが(→当サイトの関連記事)、金額がだいぶ増えています。
「ベトナムの裁判所は3月5日、民営のサイゴン商業銀行(SCB)を巡る巨額横領事件の初公判を開く。実質的経営者が10年間で約1000兆ドン(約6兆円)を自身の関連会社に融資したとされる。中央銀行元幹部らが関与した疑いもある。汚職横行が企業の投資熱に冷や水を浴びせかねない。」
SBCの実質的経営者でVTPという不動産会社のチュオン・ミー・ラン会長らが被告になっているそうです。
「ラン被告は中国系のベトナム人女性で、夫は香港出身の実業家という。米ブルームバーグ通信は23年、夫妻が香港に約80億香港ドル(約1500億円)の商業用不動産を所有し、安値で投げ売りしていると報じた。」
中国の不動産不況も関係しているのでしょうか。
監督官庁の監督チームへもわいろが渡されていたそうです。
日本の大蔵省接待汚職事件もひどいものでしたが、さすがに現金でのわいろはなかったようです(表面化しなかっただけ?)。
ベトナムでは、銀行の株式の保有に規制がかかっていましたが(保有上限5%)、他人名義を使って90%以上を保有していたそうです。
華人系不動産大手VTPを巡る違反事件、中銀発足の調査隊全員が収賄 リーダーは7.8億円受け取る(2023年11月)(VIETJO)
「華人系の不動産大手VTPグループ(Van Thinh Phat Group)の違法社債発行およびサイゴン商業銀行(SCB)による銀行業務違反などに関する一連の事件で、公安省傘下の密輸経済汚職犯罪捜査警察局(C03)は17日、捜査結果を発表した。
同事件は、VTP会長のチュオン・ミー・ラン容疑者(女・67歳)が経営支配権を掌握していたサイゴン商業銀行(SCB)を介して国民や企業から資金を調達し、不動産投資などの名目でSCBにVTP系列企業向けの違法融資を行わせ、同行に多額の被害をもたらしたというもの。」
「VTPは国内外にペーパーカンパニーを設立する形で1000社以上の系列企業を保有。ラン容疑者の指示のもと、SCBは担保資産を審査せずにVTP系列企業に違法融資を繰り返し実施。VTP系列企業は債務不履行となっており、SCBは多額の不良債権を抱えてしまった。融資金や利息などを含めたラン容疑者らがSCBにもたらした被害総額は415兆VND(約2兆5500億円)に上るとされる。」