JVC・ケンウッド・ホールディングスの連結子会社、日本ビクターの統合前の決算内容に、不適切な会計処理が見つかったという記事。
「同HDによると問題があったのは05年以降の、スペインやドイツにあるビクターのテレビ事業の販売会社の会計処理など。売り上げを維持するために、営業関係経費の増加でふくらんだ損失の処理を、次年度以降に先延ばしするなどしていたという。これらにより、ビクターが09年4~9月期に計上した76億円のリストラ費用は、実際には170億円までふくらむことなどがわかった。」
しかし、他の報道をみると、この不正により、持株会社における企業統合時やその後の会計処理にも影響が出ているようです。
JVCケンウッドHD<6632.T>、子会社日本ビクターで不適切な会計処理が発覚=関係者
日本ビクター自体も有報提出会社ですが、過去5年分の決算を訂正するそうです。また、JVCケンウッドHDにおけるパーチェス法の会計処理上、日本ビクターはケンウッドに買収されたという処理になっていますが、その際に発生したとされる負ののれんは、今回の修正により正ののれんということになるそうです。
「JVCケンウッドの統合では、ビクターの買収価格が純資産価値を下回ったため、差額を利益計上する「逆のれん」が発生したが、ビクターの過去の損失が発覚したことで当時の買収価格が資産価値を上回る「正ののれん」に転換する。70億円規模の未処理損失を含め、こうした会計処理に伴って、08年10月以降のJVCケンウッドの決算では、合計150億円規模のマイナス影響が発生する見通し。」
JVCケンウッドが統合以来の決算訂正へ、日本ビクターの不適切会計で
この不正に関する会社の報告書が公表されたようです。不正が起きた背景についてもふれています。
「報告書では、日本ビクターで一連の不適切会計が発生したことについて「自主責任経営」を掲げていた日本ビクターの企業風土に不正を生む要因があったと指摘。自ら設定した利益目標の達成にまい進し、一度設定した目標を市場動向に応じて見直すシステムが働かず、海外販売会社の目標達成に地域統括会社からの過剰なプレッシャーがかかっていたほか、販売会社の目標達成の責任を経理に負わせていたことなどを不正を生んだ要因としてあげた。」
会社のプレスリリース(PDFファイル)
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