金融庁がブロックチェーンラボラトリーという仮想通貨交換事業者に対し警告を出すという記事。
「金融庁は週内に、無登録の仮想通貨交換事業者に対し、改正資金決済法に基づく初めての警告を出す。改正法が禁じている日本での営業や勧誘をしており、投資家が損害を被る恐れがあると判断した。警察当局や消費者庁とも連携し、是正しない場合は刑事告発する。無登録事業者による国内での違法営業が活発になっているため、監視体制を強化する。
警告を出すのはマカオに本社があるブロックチェーンラボラトリー。仮想通貨技術を使った資金調達(ICO=イニシャル・コイン・オファリング)の代理業、仮想通貨への分散投資業などを主な事業としており、日本で投資家向けにセミナーや勧誘活動をしている。」
「ブロックチェーンラボラトリー」を検索で調べるとこのサイトが出てきます。
https://ja-jp.facebook.com/blockchainlaboratory/
コインチェック事件で金融庁の監督に重要な不備があったのではないかという見方もあり、また、米SECが仮想通貨を利用した詐欺事件の摘発を進めているようなので、何かしないわけにはいかないのでしょう。
【NEM流出ショック】(下) 誤解招いた国の“お墨付き” 「登録制導入」で安心感(産経)
「...2月2日午前7時50分。雪交じりの悪天候の中、コインチェック本社が入る東京・渋谷のビルに金融庁の検査官10人が通用口から入った。
13日までの再発防止策の報告を待たずに検査に入る異例の措置だが、「検査官はもともと地銀などの担当で、畑違いの寄せ集め集団」(同庁関係者)。金融業界では、監督体制の不備を危ぶむ見方も強い。」
「登録制は世界に対して“誤解”も与えた。「国が仮想通貨にお墨付きを与えた」との安心感が広がり、海外を含む個人投資家の資金が日本の交換所に流れ込む動きを加速させた。
これに拍車をかけたのが中国当局の規制強化だ。昨年9月、企業や個人が独自の仮想通貨を発行する行為を、経済秩序を混乱させる「違法な金融活動」として禁止。今年1月には中国人民銀行(中央銀行)が仮想通貨の取引自体や関連サービスを禁じるよう見解を示した。」
ろくに監督していなかったのに「安心感」を与えていたとすれば、大きな「期待ギャップ」があったのでしょう。
有名な経済学者からも指摘されています。
仮想通貨流出事故はブロックチェーンの信頼性を一切傷つけない(DOL)
「今回、ハッキングにあったコインチェックは、2017年4月の改正資金決済法施行で義務化された金融庁への登録を済ませていない。
ただし、17年4月前から取引業務をしていた業者は、登録審査中も特例の「みなし業者」として営業できるということになっているため、営業を行なっていた。
「登録済みでないにもかかわらず、営業が認められていた」という奇妙な状態になっていたわけだ。
しかも、テレビCMなどで大々的な宣伝を行なっていた。
だから、一般の利用者から見れば、「みなし業者」であるという事実は、把握しにくかったと思われる。
この点についての金融庁の見解は、どうなっているのだろうか?」
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