【解説記事】「国際監査・保証基準審議会(IAASB)公開草案 国際監査基準(ISA)240「財務諸表監査における不正 」の改訂について」の公表
国際監査・保証基準審議会(IAASB)から2024年2月に公表された、国際監査基準(ISA)240「財務諸表監査における不正 」の改訂の公開草案を解説した記事。
IAASB ボードメンバーで日本公認会計士協会 研究員である甲斐氏が書いています。
2つの重要なポイントがあるそうです。
「公開草案には、要求事項に「不正又は不正の疑い」という新たなセクションが設けられ、不正又は不正の疑いを監査人が識別した際の要求事項が記載されている。」
「現行の監査報告書に対し、不正に関する監査人の責任や手続に関する十分な透明性がないとの指摘がある。そこで、IAASB は、プロジェクトの過程で、財務諸表利用者へのアウトリーチ等を通じて情報を収集するとともに、監査報告書にどのような改訂を行うことが適切か様々な議論を重ねた。議論の結果、公開草案では、監査報告書において、不正に関連する監査上の主要な検討事項を報告すること、また、報告すべき不正に関連する監査上の主要な検討事項がないと判断する場合にはその旨を記載することを求めることが提案されている。」
解説によると、特に後者は、我が国の実務にも大きな影響を与える可能性があるとのことです。
ちなみに、3月12日に開催された企業会計審議会総会の会議資料でも、不正を含む国際監査基準の改正について簡単な説明がなされています。
(金融庁資料より)
不正のほかに、「継続企業」も大きな改正が予定されています。
(同上)