ホンダが、東京国税局の税務調査で、中国の合弁企業との取引に関係する「移転価格税制」に基づく2000億円規模の指摘を受けているという記事。
「06年3月期までの5年分の「広州ホンダ」との取引について指摘を受けた模様だ。国税局は、部品や工場設備、技術指導など幅広い取引について、日本側が提供した資産の価値に比べて受け取った代金が割安で日本側の所得を圧縮していると指摘したとみられる。」
26日の日経記事にも書かれていますが、中国では日本企業の関係会社といっても、現地企業(おそらく地方政府とむすびついている、純粋の民間企業とはいえないような企業)との合弁がほとんどであり、日本の親会社が親子会社間で自由に所得を移し替えることができるわけではありません。少し無理があるように思えますが、税務当局は、とれる可能性が少しでもあれば指摘していこうという方針なのでしょう。
中国四輪事業の移転価格に関する税務調査について(PDFファイル)
気になるのは会計処理ですが、会社のプレスリリースでは、以下のように述べており、連結決算には、税務当局の指摘を反映させているようです。
「米国会計基準の解釈指針第48号(FIN48※2)では、会社が行った法人税等に関する税務処理が最終的に認められない可能性がある場合、関連負債を認識する必要があると定めております。当社は、この解釈指針に基づき、2008年3月31日時点の見積り額を、関連負債および税金費用として2008年3月期の連結財務諸表に反映いたしました。」
ただし、「単独決算には日本の会計基準および会計慣行に照らして当該事象による影響を反映しておりません」とのことです。日本基準は、少し甘いということなのでしょうか。一応、会計士協会から指針は出ているのですが・・・。
当サイトの関連記事(FIN48について)
その2(会計士協会の監査・保証実務委員会報告について)
法人所得税の不確実性に関する会計処理(PDFファイル)
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