会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

ジャパンディスプレイにおける有価証券報告書等の虚偽記載に対する課徴金納付命令の決定(金融庁)

(株)ジャパンディスプレイにおける有価証券報告書等の虚偽記載に対する課徴金納付命令の決定について

金融庁は、(株)ジャパンディスプレイに対する課徴金納付命令を、2021年2月26日付で決定しました。

架空の期末在庫の計上による売上原価の過少計上、販売見込みのない在庫の評価損未計上による売上原価の過少計上、収益の認識基準を満たしていない売上の計上、固定資産の過大計上等、不適正な会計処理を行った」とされています。

決定された課徴金の額は、21億6333万4996円です。

詳しくはこちらをご覧ください。

当サイトの関連記事(課徴金勧告について)
その2(監視委広報資料におけるジャパンディスプレイほかの虚偽記載に関する解説について)

会社のプレスリリース。

金融庁による課徴金納付命令の決定について(PDFファイル)

関連報道。

JDIに課徴金21億円命令 金融庁(産経)

「金融庁が有価証券報告書の虚偽記載に対して命じた課徴金額としては、東芝の不正会計問題の約73億円、カルロス・ゴーン元日産自動車会長の役員報酬過少記載事件の約24億円に次いで3番目の大きさという。」

金融庁 ジャパンディスプレイに21億円余の課徴金納付を命じる(NHK)

「東証1部上場で経営再建中の液晶パネルメーカー、ジャパンディスプレイをめぐっては、平成27年度から平成30年度までの間の3年間に有価証券報告書などにうその記載をし、総額で112億円を決算に過大に計上したとして去年12月、証券取引等監視委員会が金融商品取引法に基づいて課徴金を命じるよう金融庁に勧告していました。」

ジャパンディスプレイ スマホ向け事業不振で229億円の赤字(NHK)

「発表によりますと去年12月までの9か月間の売り上げは、前の年の同じ時期より29.7%、少ない2725億円、最終的な損益は229億円の赤字でした。

主要な顧客のアップルが、スマホの最新機種のディスプレーに有機ELを採用し、液晶パネルの販売が減ったことが業績に影響しました。

世界的な半導体不足で自動車メーカーが減産する影響で、自動車向けの事業も落ち込む見込みで、3月までの1年間の本業のもうけを示す営業損益は296億円の赤字になる見通しです。

ジャパンディスプレイは、日立製作所、東芝、ソニーの液晶パネル事業を統合した会社で、昨年度の決算まで6年連続で最終赤字となり、経営の再建を進めています。」

コメント一覧

kei
ジャパンディスプレイ (6740)の決算・適時開示情報
2021.02.10付 「2020年度第3四半期決算説明資料」
戦略方向性(P9)以降を読むと、不安になります。文字が大きすぎます。
kaikeinews
ジャパンディスプレーは、有報などの継続開示だけでなく、増資に伴う発行開示の虚偽記載ということで、計算上、課徴金が大きくなったようですね。(といっても日産よりは小さいわけですが)

課徴金は、法律の範囲内で、金融庁が自分で決めたルールに基づき、機械的に計算しているので、虚偽記載の悪質さとは、必ずしも比例していないようです。

ゴーン事件に関しては、おっしゃるとおり、本当に虚偽記載なのか、疑問な点が多いですね。
きんちゃん
すごいですね。
これでゴーン氏事件の課徴金より少ないんですか。

ゴーン氏事件は粉飾決算でもないし、検察が主張する未払い役員報酬は過去に費用計上もされていないし、ゴーン氏退任後に支払われてもいない。

厳密には虚偽記載になっていない。

未払い役員報酬を各年度ごとに費用計上せずに、単年度に一括費用計上したので年間の上限をこえる金額が法的に有効かどうか不明という状態。

未払い役員報酬として費用計上して、法的支払い義務のある報酬にしたのに、損害を与えられとして支払っていない。

その損害は民事裁判で勝ってはじめて損害とシて認められるものだから、一旦法的に支払い義務のある報酬をゴーン氏に支払ってから、民事裁判で勝って取り戻すのが筋なのに、一方的に支払い拒否をしている。

そもそも未払い役員報酬というなら、過去に役員報酬として費用計上して、支払いだけを退任後に先送りしてる必要があるのでは?

それを退任後報酬としてごまかして支払うから、有価証券報告書に記載していないという構図が必要では?

ジャパンディスプレイの課徴金がゴーン氏事件の課徴金より低いというのはある意味すごい話ですね。

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