6月11日に開催された企業会計審議会企画調整部会の議事次第と配布資料が金融庁ホームページに掲載されています。議事次第によれば、この日は「我が国における国際会計基準の取扱いについて(中間報告)」(案)についての審議が行われ、配布資料の中に報告書の案などが含まれています。
これらによると、公開草案から変更点(さらに明確になった点)は、以下のとおりです。
○任意適用の時期の明確化
・2010年3月期の年度から任意適用を認めることが適当である。
○任意適用の対象となる企業及び監査人の要件の明確化
・「国際的財務・事業活動を行っている企業」の連結財務諸表(及びその上場子会社の連結財務諸表)
(IFRSの改訂状況等により適用対象を拡げるか当局が適切に判断することが適当)
・一定の教育、研修等を受け、知識、能力及び経験を有していること
・監査事務所は、教育・研修、業務の実施、審査等の方針設定等を含めた体制整備が必要
○ 強制適用の時期の具体的明記
・(強制適用の判断の時期は、)前後し得るが、とりあえず2012年を目途
・判断時期から少なくとも3年の準備期間が必要(すなわち2012年に強制適用を判断する場合には、2015年又は2016年に適用開始)
○強制適用にあたっての段階適用の検討
・IFRSを段階的に適用するか、一斉に適用するかは、IFRSの強制適用を判断する際に、改めて検討・決定
○ 強制適用時の別記事業についての記載の追加
・別記事業については、規制や当局の監督との関係、財務諸表の作成負担などの観点からの別途の検討も必要
○ 個別財務諸表の開示のあり方の見直しに関する記載
・個別財務諸表の開示のあり方についても強制適用の是非を判断する際に、幅広い見地から検討を行う必要がある。
報道されている「2015年又は2016年に適用開始」というのは、(少なくとも建前上は)IFRSを強制適用するかどうかの判断を2012年に行う際に、強制適用すると決定した場合の適用開始時期です。
最後の逃げ道を作ってあるということでしょう。しかし、企業や会計士は2015年をターゲットに準備せざるを得ないと思います。
国際会計基準、15年義務付けも 金融庁審議会が報告案
国際会計基準、15~16年の義務化目標 金融庁審議会が中間報告
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国際会計基準IFRS完全ガイド―経営・業務・システムはこう変わる!! (日経BPムック)
日経BP国際会計基準プロジェクト
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