作ったおかずは捨てておけ！

牡蠣の味噌煮を作っていたら

急な連絡で母が親戚の不幸に行くことになり
呼びつけられた形で実家に急いだ

父がひとりになるので
会社もあるし　わたしが小さい長男と泊まった

それが気に入らなかったのかどうなのか
夫から電話で

フライパンでおかずが腐ってるじゃないか！
なんで捨てとかないんだ！

・・・。

作っててそのまま出てきたのに？
じゃあこれからは
作ったおかず全部出来たのから捨てていけばいいの？

閉め切った初夏の２Kのアパートのキッチンで
フライパンの上の牡蠣の味噌炒めは

蒸れて腐っていたのだった

名乗るな

夫は魚が好きである

朝は必ず開きの干物
朝ご飯は魚の干物でないといけないと
思い込んでいて曲げない

夕食も焼き魚や煮魚よく食べる

ところが夫は箸が下手である
なんとも妙な箸の持ち方をする

普通箸を持つ右手は右に倒すものだと思うが
変な風に左にひねっているし
箸で食べ物を挟めない

したがって
小骨の多い魚とか
小さなかけらのような身はつまめないから
魚の身がたくさん残る

大きな魚の干物だと
夫が食べた後にもうひとり分くらい身が取れる

わたしは箸が上手で
お皿の上のキャベツのかけらも残さず食べれるが
魚は苦手

食べないことはない　そんなに嫌いでもない

ただ　食べ過ぎると口の中が魚臭くなるので嫌なのだ
だから人の食い散らした魚までは食べたくない

庭の鶏にやるのも
毎日のことでは1羽の鶏では食べきれず
虫がわいてしまう

魚好きっていうのは
骨だけ残して綺麗に魚を食べきる人のことだと思う

魚好きとか　名乗らないでくれないか

食い散らしたたくさんの魚の身
毎日捨てるの腹が立つから

ひとりごと うらみごと

おまえは片付けん！って言われていた

それがわかってるなら　散らかさないで
だってわたし　散らかしてない

おまえは何もせん！って言われていた

じゃあ　
わたしが頭が痛くて起きられなくても
わたしがいなくても
何も影響ないはずだよね

早く嫁さんを

わたしたち夫婦は同学年で55歳ですが

夫の幼馴染に
とうとうこの年まで結婚していない人がいます
今は　彼女がいるらしいですが

40代の頃だったか　夫が彼に電話で

掃除や洗濯たいへんだろう
早く嫁さんもらわないと

なんて話していていや～な気がした
家事をさせるために嫁さんもらえなんて

トイレは閉めて

まだはいはいの頃の赤ちゃんって
後追いをして
おかあさんの姿が見えないと泣く

トイレに入ったら
その間中トイレの前で泣いている

顔が見えてないといけないのだ

長男も二男もそうだったけど
二男の方がひどくて
トイレの中で座って抱っこしてないといけなかった

今の団地の自宅に引っ越したとき
末息子がもう3歳だったが

今度は
トイレに入っているときに
呼ばれても聞こえなくて
返事をしなかったら怒る人がいて

呼ばれてもわかるように
結局トイレの戸を少し開けていた

今トイレ　って答えることができるから

長男が中学生になると
それをいやがった

友達が来ていて
もし間違って開けてしまったら
恥ずかしい　とか
そんな理由だったか

実家に住み込んでからも
自宅部分の2階上がりきったところにあるトイレの戸
少し開けて入る

閉めたら下から呼ばれても
来客があってもわからないから

それに　少し開いてる方が
入っているのがわかって
母とお互い　気付かず開けてしまうことがない

そういう理由があるというのに
どうしても長男は気にいらないらしい

少し開けた戸　外からバタンと押されてしまう

振込人名義

結婚前
彼の車を下取りに軽の新車を買うことになった

支払いは
わたしの積み立てを解約して銀行から振り込んだ

満期で80万の定積を途中解約で45万ぐらいだった

結婚前のことである
いつもの習慣で自分の名まえを書いて振り込んだ

あ　そう言えば振込　自分の名前書いたわ～

彼が顔色を変えて怒った

何でわしの名まえにせんかった！

ええ！どういうこと！
自分のお金を自分の名まえで振り込んで
どこがいけないの！？

人のお金を自分の名義でって
それ　ひもじゃん！

いまだによくわからないが
単に彼女に払わせたと思われたくなかったってこと？

いまだに納得はできない

ドライブ

子どもたちが小さかった頃

朝出かけるときは
遅くなるからから早く早く！と怒られて

山の行楽地　着いたら子どもは大喜び
あっちで遊び　こっちで遊び

古タイヤの山が作ってあって
登って遊ぼうとしたら

渋滞するから早く早く！と怒られ

何しに行ったの？
遊ばせに行ったんじゃないの？
どうしてのんびり遊ばせて帰ったらいけないの？

怒られて行って　怒られて帰って
子どもだけ連れて行ってくれてもよかった

でも　そんなことで
子どもたちが怒られながら行ったのでは
かわいそうなのでついていった

行って帰るだけが目的なら行かなくてもいいのに
意味がわからなかった

ゆうべのうちに

子どもたちが小さかった頃
休日　ドライブに出かける日の朝
洗濯をしていたら怒られた

なんで朝するんだ
なんでゆうべのうちにやっとかないんだ
出かけるのが遅くなる

今朝まで着ていたパジャマ
どうやって夜のうちに洗っておくんだろう

手伝いに来て！

最初の子どもが赤ちゃんで
大の大人にまで手が回らない頃

ひがんだ大の大人が
行けばかまってくれる人はいるんだ

みたいなことを言った

そんな人いるんだったら
手伝いに来てもらって！

とっさに言っていた

ほんと手伝いに来てほしかったのに
誰も連れて来てくれなかった

意味のわからないこと

コーヒー好きだから
コーヒーを出してあげなければいけないなんてことが
あるだろうか

わたしみたいな
スーパーで１袋５００円以内で買えるコーヒー豆を
メジャースプーンに３倍で５杯分の量の薄いコーヒー作って
がぶがぶ飲むようなものが入れる
邪道のようなコーヒーを

なぜコーヒー豆を選び
ひき方を選び
立て方にこだわり
自分で立てて飲む人に
出さなければいけないのか

迷惑ではないですか？
失礼じゃないですか
やはり　飲んではいただけませんでしたね

それよりも　こちらが自信を持って出せる
おいしい　いいお茶ではいけないですか？

もうさっぱり意味がわかりません

責めてるわけですか！
わたしがコーヒーにこだわらないことを
自分こそコーヒーなんか入れもしないくせに？

おまえは老けとる

夫は背が高かった

１７６センチ

出会ったころ
当時にしてはかなりの長身だった

ふたりで繁華街の人ごみの中を歩くと
頭ひとつ抜きんでていた

商店街を歩きながら
隣のカレシを見上げると
彼の顔と一緒にアーケードの天井が見えた

そのわりは　ひょろんとに痩せていて
そこまで大きくは見えなかった

ところが結婚すると
食生活が変わったせいか
年々順調に体重が増していった

やせっぽちから
標準体重を越していった

毎年季節ごとに

服買いに行こう

と言っては次々服を買うのは
わたしではなく夫だった

普通は女である妻が
服を増やしていくと聞いていたが

わたしは息子たちが小さい間
家にいるのでそんなにまで服がいらなかった

新しい服が買えなくても
今までの物で

冬寒くなければいいし
夏暑くなければよかった

長男が幼稚園に行き始めると
幼稚園の参観日や親子遠足のため
少しは買わないといけなくなった

ある冬は１００００円でスラックス３本
次の冬に１００００円でトレーナー３着

夏は冬の半分の予算で済んでいた

でも少ししかないので
家ではいつも同じ服を着ていた

そんな３０歳にもならないある日のこと
夫が言った

おまえは老けとる

ええ！！！
その頃からいつも若く見られていたのに

いや　いつも同じ服を着とる
老けとる

・・・。
いつ服買ってくれた？！！
よそ行きの服ばかりたくさん買う
浪費妻がよかった！！！？

服なんてろくに持ってなくても
充分若く見られていたし
今でも　若く見える　と言われ
真に受けているのである

化粧水

だるいなあ

肩凝ってるし
首痛いし
いらっとしやすいし

午後から美容院　
二男が連れて行ってくれることになってるけど
きょうは化粧もしたくない

美容院だからいいんだけど

こんなとき
なんでもないこと思い出しては
いらっとする

ローションを手に取ったとき
思い出したこと

甥の結婚式のため
出発の前日自宅に戻ったとき
持って帰ったはずの化粧水がなかった

買い置きの新しい方を開けて
旅にも持って行った

随分経ってからあるとき

家のガレージに
なんかスプレーみたいなのが落ちとったで！
もう捨てられとるかも知れんで！


ある休日　自宅に戻ったとき
ガレージのエアコンの室外機の上に
その見失った化粧水があった

日にちも経っていたし捨てたけど

どうしてそんな意地悪言うんだろう
そんなにわたしが嫌いなのかな

ガレージに化粧品みたいなものが落ちてたけど
おまえのじゃないのか？

じゃだめなの？

お守りします

雅子さんを全力でお守りします

皇太子殿下は
雅子妃との婚約会見でそう言われた

自分にとって一番必要な人に
そばにいてもらうために

皇太子殿下の場合は
自身がそうやってお守りするしかないし
そうしていかれるだろう

雅子様も
大切な人のそばにいることを決意された


守るという意味

生活ができるように働いて
給料をもらってくる

その点では　生活を守るという意味で
確かに守ってはいる

しかし
育児で疲れて家事がはかどらなかったり
めしが遅いと
不機嫌になられたら

とても守られている気はしない

結婚の遅い友人のことを
マザコンかと思われる　
と言って

自分は結婚しているから
いつまでも母親に面倒見てもらっている奴とは
違うと思ったらしいけど

風邪で仕事を休むときに
職場に電話してくれと言われたり

職場の提出書類や資格試験の願書を
書いてくれと言われたり

学校じゃあるまいし

じゃあ　独身の人は
おかあさんに書いてもらってるの！

って言ったことがある

ただ　年取った母親にやってもらっていたことを
そのまま若い妻にやってもらっているだけ

妻を母代りにしているだけに思えた

守るどころか
面倒見られてるじゃん！

書類の記入は
字を書くのが苦手なためだったのですが

今では銀行や保険の書類など
自署の必要ということがわかって

苦手でも　老眼で見えにくくても
ちゃんと自分で書いている