会社役員登記計画 part Ⅲ

１回では済まないかも知れないですよ

税理士さんの言葉

お役所だからね
どうせ向こうが１回で済まそうとは
思ってないからね

向こうの期待通りには
文書もなかなか作れないよね

急がないからね
おちついて　気を付けてね

と　またかわいい息子を送り出す

Y君は区役所経由で
法務局の相談コーナーを目指した



数時間後
戻ってきたY君が苦笑い

もう一度印鑑お願いします

ボロボロですよ・・・

押すべき印鑑が
こちらの判断とは違っている

委任者である自分の印鑑を忘れていた・・・
この時点できょうはダメだと思った

そういうところでダメなんかい！(突っ込みです)

それと
議事録の書き方のご指導をいただいた


いや　ボロボロなんかじゃない！
ボ　ぐらいよ！

ボ？　ですか？

はい　よくできました！　ぺたん！

めげずにY君がさっそくPCのキー
カタカタカタ・・・
議事録を書きなおす

あしたまた行きます！

会社役員登記計画 part Ⅱ

８～１０枚にも及ぶ文書を作成し
保健所に出向いて許可申請

そして保健所からの現地調査後
無事許可が降りた

社内に掲げてあった古い許可証を額からはずし
再び保健所に出向いて
古い許可証と交換に新しい許可証をいただいて

アルバイトのY君が嬉しそうに帰ってきた

この子　行政書士の仕事ができる！
法務局も行って許可申請のための
登記謄本も取ってきた

そこで思いついたのがこれ

長男役員登記計画の悪だくみに
Y君を巻き込む！

最初は
会社役員の登記の仕方を
調べてくださいと

指示を出した

それから
それとなく何度となく

挑戦してみる？とか
お願いします　とか

そそのかした

この子は一度点火すると
すごい勢いで　はげしい集中力で
キーを叩き続ける

前もって税理士さんにも
司法書士に依頼しなくても問題ないか
相談した

問題はない
ただ　一度で済むかはわからないと

かまわない　挑戦だから

申請書　議事録　その他もろもろ
書類があらかた出来上がり

あとは役員と本人の実印を押し
本人の印鑑証明を添えるだけです

とY君が言った

末息子の同級生
若干２４歳の大学を出て間もないこの人を
わたしは矢表に立たせようとしている

心配になり　法務局にも電話してみた
年配の男性が親切に教えてくれた

直接登記の窓口に行ってもいいですが
３号館２階に相談コーナーがありますので
まずそちらへいってみられるといいですよ

と言うことだった

事業主　または委任状を持った代理人(Y君)が
直接登記申請に行っても一向構わないと確信した

会社役員登記計画 part Ⅰ

わが社では
社長が営業の第一戦である
社員に給料払うために

そのため社ではほとんど社長が不在
なめられる　わたしでは

今は余分に給料も出せないのに
長男が

ばあちゃん(わたしの母・認知症)も
おばさん(わたしの妹・精神障害)も
おかん(今ではとうとうパニック障害の疑い)も

ほってはおけないと

面倒見てくれている

社長である父親は
自分は営業で売りさえすればいいと思っていた

先代社長　つまりわたしの父がそうだったから

でも

バブルはとっくの昔にはじけ散り
それ以後赤字は積み重なり

それを引き継いで
わたしひとりにどうしろというのだ

一時期は女性４人でやっていた事務も
妹とけんかになったパートのおばちゃんが去り
いや　この際去ってもらった
（いろいろ問題ありで）

妹は病状が悪くなり
来なくなった
たまに来れば仕事よりも喧嘩売りに来る

そして世はパソコンの時代
ばあ～ちゃんに手伝ってもらえることも
少ない
さらに去年の夏からば～ちゃん
認知症でリタイヤ

無理もない
今月めでたく８０歳のお誕生日をむかえた

そして　わたしひとり

仕事は追いつかず

支払いも追いつかず

夫である社長は
なにかにつけわたしひとりに怒りをぶつけ

もし何かあれば全部わたしのせいにして
怒り狂うつもりだったのだろうか

しかも社員の一人はそれをそっくり見習った

見習うなら
別に　もっといいところがあるから！
そっちにしてくれ　ばかやろう！

人当たりの良いところ！外面は
そして売上上げるところ！
見習わんかい！

息子が
このままでは家族も
会社もやばいことになると

今までの仕事をことわって
来てくれた

しかし
助けてはくれるが
後を継ぐとまでは言わない

ある休日
何思ったのか　ばあ～ちゃん

これから先ここはどうなるの！
孫息子は誰も結婚しない
この家は　会社は　どうなるの！

認知症の母にわたしが責められた

今はなんとか頑張って会社を維持している
夢も持っている

自社ビルを建てたい
白日夢のような夢

それでは納得せず

それならそれでちゃんとしないと！

って

今　この状況でビルを建てろと！！！

今崩れそうになりながら
これだけ頑張っているわたしに？？？

怒りに泣き叫んだ

すると

もうわたしは何も言わん！
どうせ何もできないから！

そう言って
認知症の母がさっさと２階にあがった

最初っから言うな！

わたしは
愛用のＡＮＡのマグカップを床に叩きつけていた

司法書士系

会社をやっていると
いろいろお上の許可をいただかなければならないことがある

法令が変わったので新たに
○○卸売販売業の許可をとりなさいとのお達しで
保健所に許可申請をしなければならなかった

申請書　証明書　なんとか書　かんとか書
事務所見取り図　などなど8枚ぐらいの様式を
アルバイトのＹ君が
ホームページからダウンロードして

今まで過去に出した申請書の控えを見たり
記入上の注意書きを読んだりして

ああだ　こうだ
あ～でもない　こ～でもない
いやそうじゃない　こうだろう

相談しながら
彼がカタカタカタカタとＰＣのキーを打ち
午後からの二日間であらかた仕上げた

どうしてもわからないところは
申請先の保健所に聞くしかなかった

以前わたしが申請を出したとき
申請先のお役所の担当者の人に電話でいろいろ尋ね
出来上がりをＦＡＸで送って
見てもらってから提出したことがある

そうしてみてもらえる？

彼は

やります

と答え実行した

印鑑まで押してＦＡＸを送り見てもらった

そして申請に行くその日

申請書に添える登記事項証明書を法務局でとってから
その足で保健所に出しに行ってくれた

完璧！と思っても
そこは役所のことである
まず一度で済ませるつもりはなかろう

敵は絶対一度で済ませようとは
思ってないからね
そうとしか思えん！

きょうできなくてもいいからね！
おちついて　あわてないで
気をつけてね！

かわいい息子を送り出すように

息子の友達だから
ほぼ息子と変わりはないのだ





保健所から
Ｙ君が電話をかけてきた

印鑑が違うのと
もう1枚証明書がいるそうなんです
保健所の方と変わります

ＦＡＸで一度見てもらっているからなのか

印鑑と証明書は
後日現地調査に伺ったときでいいですから

と言うことだった

外は雪が降り始め
まもなく大雪になった

アルバイトの終わる時間も近くなっている
Ｙ君の携帯に直帰してもいいよと
メールを打ったが
もうすぐ着きますと返信があった

帰ってきたＹ君と一緒に

印鑑は登録した印鑑を　って

ＦＡＸで１回見せたじゃね～の！

証明書もう１枚？

聞いてね～！

と　ふたりでくやしがった

後日保健所から
おじいさんとおにいさんが訪れ

無事許可が下りた

やったね！グッジョブ！
司法書士系だね　Ｙ君

今さら ぐれるかわたし

ばあ～ちゃんが
古着を小さく切ってチビ雑巾をにして
トイレの窓枠に置いてある！

数日前
ほこりをとる小さい雑巾を作ると言って
古着とはさみを探していた

やばい！

うっかりトイレに流したら
大変なことになる

すぐにその布を
トイレの外の別の場所に移動して
かわりに
トイレ用のお掃除シートを置いた

気付いたば～ちゃんが言ってきた

小さく切った布置いてあったのにない

トイレが詰まってあふれたらたいへんだからね
トイレ用のシートなら
流しても大丈夫だからね

布なんかトイレに流さない！
そこまでぼけてない！

めずらしく言い張って譲らない

わざとなんかしないのはわかるよ
でもわたしだって
無意識にとんでもないこと
することはあるよ

トイレになんか流さない！

と　まだ納得しない

頭来た

階段を下りて

台所でひとりあばれた

ば～ちゃんじゃなくわたし！

台所の椅子蹴ってこかした

蘇るシチュエーション

送られてきた修理品
これを修理会社に送る

半切れ氏の担当物件
しかもあの時と同じ品

本人不在のため
もうひとりの社員が
電話で確認とって

これ送ってください

送り元のお得意様がつけてきた
修理依頼書

それを一緒に送っていいのか
いけないのか
本人はいつもどうやっているのか

わたしには判断できん！

そう言い放って
放置！

蘇る恐怖

その件には触れたくない！
手を出したくはない！

蘇る恐怖

もうひとりの社員が
当社からの修理依頼を手書きし
修理品を箱詰めにした

アルバイトのＹ君に
配送伝票を書いてもらい

わたしは
袋に入れてテープで封をして
伝票を貼っただけ

それでも
よみがえった恐怖に
涙ぐんできて

自宅部分のキッチンの引き戸を
久々にぴしゃっ！！
と閉めた

蘇る恐怖に
デパス２分の１錠
かじる・・・

坊守様

父の月命日に
お経をあげに訪れた坊守さん

お寺の住職の奥様

むやみやたらと
誰でも励ますもんじゃありませんよ

若いころは女学校で
陸上、器械体操で鍛え

運転免許がないから徒歩とバス電車

足越丈夫

でも認知症進んでます
スーパー行くと
帰りの出口がわからない

「ひとりで買い物行けないなんて
そんなことないでしょう」

なんて無責任に言わないでください
本人その気になったらどうします？

昼間は会社ですから
迷子になってもすぐに探しには行けません

しかも
これだけしっかりした足取りで
昼間歩いていたら

誰も迷子とは思わないので
何処からも連絡は来ません

暗くなって
疲れ果てたおばあちゃんを
見つけた人がやっと
警察にでも知らせてくれるでしょう

それまでの間
探しようもないわけです

だからいつも

どうしても外に行きたければ
仕方ないけど
迷子になっても
すぐ探しにいけるかわからないからね

って言い聞かせています

いくら東大出でも
４０にもならないお若いお寺の奥様
坊守様

テイスティドレッシング

１月２２日(日)買い物行って
とあるスーパーで
このドレッシング



キューピーテイスティドレッシング明太子

買ってきましたら

な　な　なんと

賞味期日が！

２０１２年１月４日

はあっ！！

週に１～２回しか買いものに行けず
行った時には忘れていて

とうとう２週間経ってしまいましたが

そのスーパーの
サービスカウンターに持って行ってみました

若い店員のおねえさんに
１/２２のレシ―トを出しまして

この日にこのドレッシングを買ったら
これだったんです

レシートとドレッシングの日付を見比べて
店員さんが

あ！賞味期日過ぎてますね！

あの日は明太子がそれ１本しかなかったですが
きょうはテイスティドレッシングがいっぱいあって
同じものと交換してもらいました

もしもあ～だこ～だ言われたら
でも　いりませんから返します
と言って
置いて帰るつもりでした

いまどきそんな感じの悪いお店も
少ないのかも知れませんね

当然の権利なのですが
なんか嬉しくて　ありがたかったですね

いいお天気ですね

22歳

長男がお腹の中にいたころ

道で近所の人から
いいお天気ですね

って声をかけられても

だからどうしたんだ

って思ったものだった

今　寒い日々の中で

明るい日がさしてくる朝に

ああ　いいお天気だなあ

と思える

なにか嬉しくて　出会った人にも

いいお天気になりましたね

と　ことばが出る

いいお天気ですね

そのことばに込められた意味が

あのころにはわからなかった

明るい暖かい日差しに

なんだか気持がはなやぐような

そんな嬉しい気持が

わからなかった　あのころ